菊池 遼｜チョン・ユギョン 二人展

　現象学的なアプローチから絵画制作を行うアーティストの菊池遼と、北朝鮮のプロパガンダポスターをモチーフに描くチョン・ユギョンの2人展が開催される。

　菊池は1991年青森県生まれ、東京造形大学大学院造形研究科美術専攻領域修了。鑑賞位置で作品の見え方が変わる視覚効果を使い、「もの」の儚さやたどり着けなさ、現象性の表現を試みる「void」シリーズなどを発表してきた。近年の個展に「OUTLINES」（EUKARYOTE、東京、2019）。グループ展に「イメージとの距離」 （香月恵介との2人展、関内文庫、神奈川、2019）、「もの・かたり – 手繰りよせることばを超えて」（代官山ヒルサイドフォーラム、東京、2019）などがある。

　チョンは1991年兵庫県生まれ、朝鮮大学校美術科卒業。現在、韓国を拠点に活動。北朝鮮のプロパガンダポスターを拡大し、イメージを解体することで、主観性を問うような絵画を制作している。主な個展に「JUCHE POP」（朝鮮大学校、東京、2014）。グループ展に「在日・現在・美術」（eitoeiko、東京、2014）、「パレードへようこそ」（アキラ・ザ・ハスラーとの2人展、オオタファインアーツ、東京、2019）など。19年にVOCA奨励賞を受賞した。

　菊池とチョンは共通して、ぼかしの技法「ハーフトーン」に基づいて作品を制作。本展では、物理的な立ち位置のみならず、見る者の「立場」や「見かた」によって変化し、想像力を喚起させる2人の作品を紹介する。