EXHIBITIONS

現代アート書道の世界2【記号と今】

山本尚志 プリンすくい 2019 Ⓒ Hisashi Yamamoto Courtesy of Yumiko Chiba Associates

Ayako Someya C₂H₄ 2019 ©︎ Ayako Someya

Haru Yamaguchi Gender~quota system~ 2020 ©︎ Haru Yamaguchi Courtesy of Yumiko Chiba Associates

小林真由香 ta-RU, 2019 ©︎ Mayuka Kobayashi Courtesy of Yumiko Chiba Associates

日野公彦、 Cones – No Parking – No Smoking – in the morning 2019 ©︎ Kimihiko Hino Courtesy of Yumiko Chiba Associates

宮村弦 BRAILLE CODE – 枕草子〔第一段〕 2020 ©︎ Gen Miyamura

矢野童観 強大な5つの上とその他の上と下 2020 © Doukan Yano

 2017年に行われたグループ展「現代アート書道の世界」の第2弾が開催。本展には、「モノと文字」との関係を、「モノにモノの名前を書くこと」でとらえ直す山本尚志(本展キュレーター)、万物を表す元素記号を可視化し、その構造図一つひとつを文字に見立てて、書道独特の滲みのなかに浮かび上がらせるAyako Someya、禅の思想を現代語訳化するように、重厚な筆致で作品を制作する小林真由香のほか、Haru Yamaguchi、日野公彦、宮村弦、矢野童観の7人が参加する。

 ここ数年で、国内各地のコマーシャルギャラリーから十数人がデビューを果たすなど注目を集める書道家たち。そのあいだでつねに「なぜ文字を書くのか」という問いが話題に上がってきた。
 
 歴史を振り返れば、安禄山の戦いの悲劇を記した『祭姪文稿』に中国の顔真卿や、黒人差別が色濃い1980年代に生き、心の叫びを表したジャン・ミシェル・バスキアなど、文字を作品に取り入れた作家が何人か登場する。

 本展に出展する7人の書道家たちも、文字と記号を通してそれぞれが抱える問題を作品にしている。そこには「記号と今」があり、日本独自の芸術である「書道」が息づいている。