EXHIBITIONS

冬木遼太郎「Hanging」

2020.06.27 - 06.28
 アーティスト・冬木遼太郎による展覧会「Hanging」が、京都にあるVOU / 棒で開催。本展は6月27日、28日の2日間限定のアポイント制で催され、「来場者が持参したTシャツにシルクスクリーン印刷を施し、持ち帰ってもらう」という体験を経て、一連の過程自体が作品となる。
 
 冬木は1984年生まれ。2008年京都造形芸術大学情報デザイン学科先端アートコース卒業、10年京都市立芸術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。17年、吉野石膏美術振興財団在外研修員としてニューヨークに滞在。時空間や行為の関係性をテーマとした作品を多く発表し、身体性や他者との関わりを思索してきた。

 コロナ禍の状況のなかで、ギャラリーがどのように発信できるかという問いから始まった本展。持ち主の一部である着古されたTシャツに「STOP THE TIME」のイメージを「刷る」という行為によって、流れる時間のなかでのある瞬間を「引っかける」という。

 鑑賞者が持参する服を選び、ギャラリーを訪れ、作品が完成するまで、その過程にある状況や感情までもTシャツが記憶する。VOU / 棒オーナーの川良謙太は、「流れ続ける時間のなか、ともにアップデートされる記憶の断片が、どの痕跡や体験によってふと呼び起こされるのか、考えてみる機会になれたら」と言葉を寄せている。

本展の予約方法などはギャラリーの公式Facebookにて案内。来場にあたっての注意事項もあわせてチェックしてほしい。