EXHIBITIONS

森栄喜「シボレス|鼓動に合わせて目を瞬く」

2020.08.05 - 09.06

森栄喜 Shibboleth—I blink my eyes to the heart beats 2020 © Eiki Mori Courtesy of KEN NAKAHASHI

森栄喜 Shibboleth—I blink my eyes to the heart beats 2020 © Eiki Mori Courtesy of KEN NAKAHASHI

森栄喜 Shibboleth—I blink my eyes to the heart beats 2020 © Eiki Mori Courtesy of KEN NAKAHASHI

森栄喜 Shibboleth—I blink my eyes to the heart beats 2020 © Eiki Mori Courtesy of KEN NAKAHASHI

森栄喜 Shibboleth—I blink my eyes to the heart beats 2020 © Eiki Mori Courtesy of KEN NAKAHASHI

 森栄喜が初のサウンドインスタレーションを発表した「シボレス|破れたカーディガンの穴から海原を覗く」に続いて、KEN NAKAHASHIで個展を開催。本展では、今年3〜5月にかけて、人通りがまばらな東京の夕刻の街中で行った、パフォーマンスを記録した新作映像作品を公開する。

 森は1976年石川県生まれ、パーソンズ美術大学写真学科卒業。写真集『intimacy』(ナナロク社、2013年)で第39回木村伊兵衛写真賞を受賞。セクシャルマイノリティーをはじめとする多様性のあり方を主題とした写真作品で知られている。近年では、自身の体験や記憶を交えた「詩」の朗読や、他者との共演によって自己と他者の境界を探り、身体的な対話を試みるパフォーマンス作品、映像、文章、詩など、多岐にわたる表現方法を展開。多様性のあり方について自身が体感する「問い」を社会や公共空間に投げかけ、社会のなかで見過ごされてしまうかもしれないものに、自身も参与し続けてきた。

 森は、東京都写真美術館で開催された「小さいながらもたしかなこと 日本の新進作家vol.15」展(2018〜19)や、フェスティバル/トーキョー(2017・2018)への参加など、美術館や芸術祭でも積極的に作品を発表。ジェンダーやセクシャルマイノリティーを取り巻く環境について、様々な意見を導き出してきた。

 新作映像作品《シボレス|鼓動に合わせて目を瞬く》は、「屋上で笑い声を再生する」「ごめんねと言うかわりに3ページめくる」「鼓動に合わせて目を瞬く」など、15の合言葉(シボレス)のなかで描写した動作をもとにすべての合言葉に振りをつけ、夕刻の街角で森がひとり踊る様子を撮影したもの。言葉に宿った感情や記憶が森自らの身体を通して、家族や友人、遠くにいる人へ届けられていく。