EXHIBITIONS

ニッポンの浮世絵 ―浮世絵に描かれた「日本のイメージ」

2020.11.14 - 12.13

歌川広重 冨士三十六景 駿河薩タ之海上

歌川広重 名所江戸百景 隅田川水神の森真崎

豊原国周 見立昼夜廿四時之内 午後六時

歌川国貞 柏戸・白山

月岡芳年 風俗三十二相 むまさう 嘉永年間女郎之風俗

 太田記念美術館では、私たちの身の回りの生活を見つめ直す機会が増えているいま、浮世絵から「日本のイメージ」を見つめ直す展覧会「ニッポンの浮世絵 ―浮世絵に描かれた『日本のイメージ』」を開催する。

 富士山や桜、蕎麦や天ぷら、寿司、花魁や芸者、力士。江戸から明治にかけて浮世絵師たちは、日本人の身近にある美しい自然、食べ物、人々を描いた。これら浮世絵からは、私たちがいま暮らしている日本の特色のルーツや、日本の美意識を読み解くことができる。
 
 本展では、歌川広重、歌川国芳、歌川国貞などによる浮世絵約70点を展示。日本的な題材が描かれた浮世絵を一堂に集め、日本のイメージをひも解く。

 なかでも見どころの作品は、月岡芳年の《風俗三十二相 むまさう 嘉永年間女郎之風俗》。本作では、料亭の2階にいる女性が、江戸の町でとくに人気の食べ物のひとつであった天ぷらを食べようとしている様子が描かれている。題名の「むまさう」は「うまそう(美味そう)」を意味しており、浮世絵を通して、現代でも人気の高い和食のルーツをたどることができる。