EXHIBITIONS

戸張花「内在 - Immanence」

2020.11.13 - 12.06

戸張花 IMMANENCE 2020

戸張花 MATERIAL 2020

戸張花 EFFECT 2017

戸張花 edge 2017

戸張花 制作の様子

 注目を集める新進気鋭の彫刻家・戸張花の個展「Immanence 内在」がLOKO GALLERYで開催される。

 戸張は1993年東京都生まれ。2016年多摩美術大学卒業制作優秀作品に《FORCE》が選出され、18年に同大学院美術研究科彫刻専攻を主席で修了。現在は埼玉県川口市の共同アトリエで制作を行う。

 戸張の彫刻作品は鉄製の棒を素材とし、制作にあたって、可燃性ガスであるアセチレンガスと酸素を使用して3000度の炎で液状になるまで熱する。鉄は、溶ける、曲がる、歪む、錆びるという特性があり、一見すると作家は自由に鉄を扱い、思いのままの造形をつくり出すことが可能なように思える。しかし、鉄と格闘していくなかで戸張は自身の表現を素材に押しつけようとせず、素材と作家との表現のせめぎ合いのなかから生まれるかたちに強い関心を抱いている。

 戸張は作品の大きさや形態が変わっても、一貫して繰り返し行う細かい作業で作品をつくり上げる。その作品は、生命が誕生してから尽きるまで続く、最小単位の生命現象を体現しているかのようである。

 本展では大型の彫刻作品をはじめ、その制作過程で生まれた鉄粉を集めて制作したドローイング作品も展示。戸張の彫刻から放たれる真っ直ぐなエネルギーが、私たちの潜在意識のなかにある自然にどのような揺さぶりをかけるのか、目撃してほしい。