EXHIBITIONS

シリーズ ミュージアムとの創造的対話03

何が価値を創造するのか?

2020.11.28 - 12.27

渡辺英司 星の名前 1997 Photo by Hiromu Narita Courtesy of Kenji Taki Gallery

小林正人 写生(1993.4.16) 1993

村岡三郎 ホヴァリング(空中停止) 1977

原口典之 Untitled FCS 1990

「ミュージアムとの創造的対話」は、鳥取県立博物館がミュージアムの可能性を開く試みとして、2017年より継続する展覧会シリーズ。3回目の開催となる今回は、ある個人コレクターのコレクションと、収蔵アーティストによる新旧作の展示を通じて、美術作品における「価値」とは何かを考察する。

「アーティスト」たちは、自らのアイデアや知見を頼りに、様々な素材を用いて作品を制作し、新しい「価値」を提示する存在。いっぽう、「ミュージアム/美術館」は、作品を展示・収蔵することで、歴史的あるいは美学的な価値を認め、その作品の価値を定め、時には高める役割にある。「コレクター」もまた、作品に何らかの価値を見出し蒐集する点でミュージアムの姿と重なるが、その動機や基準、目的は様々。とりわけ同時代の作品をコレクションすることは、時代を先駆ける価値づけの行為とも言え、ある時は作品の理解者として、またある時は作家の経済活動を支えるパトロンとして、大きな社会的役割を担ってきた。

 本展で紹介する「Aコレクション」は、1980年代から日本の現代美術を中心に収集が始められ、現在では数百点もの作品を収蔵。「Aコレクション」の特徴は、数十年にわたって特定の作家の活動を観察し続け、作品購入を通じた支援だけでなく、作家活動のアーカイヴやプロジェクトへの参画まで活動を広げていることにある。

 本展では、この秘蔵のコレクションを展示し、約30年にわたる収集活動の成果を公開することで、1980〜2010年代にかけての日本の現代美術の歩みの一側面を紹介する。博物館をメイン会場にサテライト会場を3ヶ所に展開。また村岡三郎、原口典之のオンライン・アーカイヴも公開される。

 主な出展作家は、原口典之、村岡三郎、松澤宥、渡辺英司、大塚泰子、小林正人、丸山直文、竹川宣彰、藤澤絵里子、藤原勇樹など。