EXHIBITIONS

根本祐杜 個展「ナッシングアットオール」

2021.02.20 - 03.21

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 彫刻作品を中心に展開するアーティスト、根本祐杜(ねもと・ゆうと)の個展「ナッシングアットオール」がToken Art Centerで開催される。

 根本は1992年千葉県生まれ。2015年に日本大学芸術学部美術学科彫刻コースを卒業後、17年に東京藝術大学大学院美術研究科を修了。彫刻を中心に、インスタレーション、ドローイング、パフォーマンス、絵本など様々な方法で表現してきた。「CAF賞2018」で最優秀賞を受賞。2020年にアテネ国立芸術大学での交換留学を経て、現在、東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程に在籍中。

 根本の近年の彫刻は、紙で型取りするなどセラミックの崩れ落ちるような物質感と奔放な造形、荒唐無稽なテーマが相まって笑いを誘うとともに異様な存在感を示す。それらは見る者に強烈なインパクトを与えるいっぽう、背後には現代社会におけるルールやシステム、合理性などに対して揶揄、あるいは無化、逆行するような態度が貫かれている。

 ギリシャ・アテネからの留学帰国後に開催される本展では、アテネ滞在時に構想した新作を発表。セラミックを使用した高さ2.5メートル超の棒人間の彫刻作品を中心に、胸像、壺や自作のアイアンシェルフなどで構成したインスタレーション、ペインティングなどを展示する。

 新型コロナウイルスの蔓延のため、現地では外出や制作が制限された根本。アテネの文化や郷土などから得たもの、あるいはまったく得られなかったものを本展で見せる。

 なお根本は、CADAN 有楽町での倉田悟との2人展「Infinite Jest」(2月23日〜3月14日)でも出展予定。