EXHIBITIONS
彩られた紙―料紙装飾の世界―
大倉集古館が企画展「彩られた紙―料紙装飾の世界―」を開催。絵画の紙も含め、料紙を加工した「彩られた紙」を展示する。
「料紙」とは一般に書に用いられる紙を指す。彩られた紙には、湿らせて叩くことで滑らかにする「打紙」、文字に変化を与えるため凹凸に加工した紙、そして、紙に金銀を蒔いて華やかに装飾された紙など、様々なものがある。
本展では、奈良時代の荘厳な写経である『大聖武』をはじめ、王朝貴族の栄華を伝える『古今和歌集序』や『石山切』、江戸絵画として再評価されつつある大津絵、『平家納経』を精巧に再現した画家・田中親美の模本までを、マイクロスコープの拡大画像とともに紹介。人々の願いや美意識が反映された各時代の料紙装飾に光を当て、託された祈りや夢、そして美の移り変わりを探る。
見どころのひとつとなる国宝『古今和歌集序』は、布目をつけた紙の上に胡粉を塗り、中国・北宋時代につくられた「唐紙」を、色と文様の組み合わせを工夫して巻物に仕立てたもの。保存状態が良くほとんど裏打ちがされていないため、美しく装飾された料紙の表と裏を観察できる。紙の下に版木をおいて吉祥文様などを擦り出した中国独自の蠟牋(ろうせん)は、日本のものとは異なる珍しさから貴族に好まれ、鎌倉時代には入宋僧である道元などが重要な書のために使用した。
なお本展ではこれら「彩られた紙」のほか、フランス人間国宝(メートル・ダール)のシルヴァン・ル・グエンによる「扇」も特別公開する。
「料紙」とは一般に書に用いられる紙を指す。彩られた紙には、湿らせて叩くことで滑らかにする「打紙」、文字に変化を与えるため凹凸に加工した紙、そして、紙に金銀を蒔いて華やかに装飾された紙など、様々なものがある。
本展では、奈良時代の荘厳な写経である『大聖武』をはじめ、王朝貴族の栄華を伝える『古今和歌集序』や『石山切』、江戸絵画として再評価されつつある大津絵、『平家納経』を精巧に再現した画家・田中親美の模本までを、マイクロスコープの拡大画像とともに紹介。人々の願いや美意識が反映された各時代の料紙装飾に光を当て、託された祈りや夢、そして美の移り変わりを探る。
見どころのひとつとなる国宝『古今和歌集序』は、布目をつけた紙の上に胡粉を塗り、中国・北宋時代につくられた「唐紙」を、色と文様の組み合わせを工夫して巻物に仕立てたもの。保存状態が良くほとんど裏打ちがされていないため、美しく装飾された料紙の表と裏を観察できる。紙の下に版木をおいて吉祥文様などを擦り出した中国独自の蠟牋(ろうせん)は、日本のものとは異なる珍しさから貴族に好まれ、鎌倉時代には入宋僧である道元などが重要な書のために使用した。
なお本展ではこれら「彩られた紙」のほか、フランス人間国宝(メートル・ダール)のシルヴァン・ル・グエンによる「扇」も特別公開する。