EXHIBITIONS
ラファエル・ローゼンダール「Calm」
ラファエル・ローゼンダールが日本では3年ぶりとなる個展「Calm」を開催。本展は、描画七宝(ペイント・エナメル)の技法を⽤いた「Mechanical Painting」とプレキシガラス作品「Extra Nervous」の2つのシリーズで構成される。
ローゼンダールは1980年オランダ⽣まれ。現在、ニューヨークをベースにしつつ、自身のInstagramに見られるように世界中のあらゆる場所で作品を制作。2000年からのウェブ作品に始まり、インスタレーション、レンチキュラー作品、ファブリック、詩作など作品スタイルの幅を広げている。18年には⼗和⽥市現代美術館で初の美術館個展「ジェネロシティ 寛容さの美学」を開催した。
ウェブサイトやGoogle Chromeのプラグイン、NFTなどの形式を⾃らのキャンバスとして開拓するローゼンダール。その手法はインターネット・アートやコンピュータ・アートといったジャンルにとどまらず、同時代を反映する芸術作品として、⽇々私たちが往来するインターネット上の仮想空間とアクチュアルな物理空間の境界に意識を向けさせる。インターネット・アートの動向において登場したアーティストでありながら、同時に、絵画史におけるメディウムの再解釈という観点からも重要かつユニークな実践を続けている。
本展の出品作「Mechanical Painting」は、コンピュータで制作した描画七宝の絵画作品で、表⾯には凹凸があり、焼き物ならではのスポットといった制御不能な偶然性も含む。同じく絵画作品の「Extra Nervous」の鏡⾯処理が施されたプレキシガラスは、正⾯でモチーフを見ようとする人の姿を映し、静謐かつ内省的な鑑賞体験をもたらす。
また「Extra Nervous」の鮮やかな⾊彩を持った抽象的な図形は、テーブルやエレベーター、窓、といった具体的な対象を想起させ、新型コロナウイルスの感染拡⼤下の極度に緊張した⽇常のなかで、多くの⼈が屋内を、あるいは屋内から屋外を改めて⾒つめ直したであろう光景と重なる。
パンデミックは、⽇々の暮らしのなかに⾮接触型のデジタルの環境を拡⼤させたいっぽうで、私たちの肉体が置かれる物理的な世界に、あらゆる意味での接触と摩擦(=テクスチャー)が介在していることを実感させた。本展を構成する「Mechanical Painting」と「Extra Nervous」の質感は、こうした、デジタル環境と物理世界の対象的なテクスチャーを表現しているとも⾔える。
ローゼンダールは1980年オランダ⽣まれ。現在、ニューヨークをベースにしつつ、自身のInstagramに見られるように世界中のあらゆる場所で作品を制作。2000年からのウェブ作品に始まり、インスタレーション、レンチキュラー作品、ファブリック、詩作など作品スタイルの幅を広げている。18年には⼗和⽥市現代美術館で初の美術館個展「ジェネロシティ 寛容さの美学」を開催した。
ウェブサイトやGoogle Chromeのプラグイン、NFTなどの形式を⾃らのキャンバスとして開拓するローゼンダール。その手法はインターネット・アートやコンピュータ・アートといったジャンルにとどまらず、同時代を反映する芸術作品として、⽇々私たちが往来するインターネット上の仮想空間とアクチュアルな物理空間の境界に意識を向けさせる。インターネット・アートの動向において登場したアーティストでありながら、同時に、絵画史におけるメディウムの再解釈という観点からも重要かつユニークな実践を続けている。
本展の出品作「Mechanical Painting」は、コンピュータで制作した描画七宝の絵画作品で、表⾯には凹凸があり、焼き物ならではのスポットといった制御不能な偶然性も含む。同じく絵画作品の「Extra Nervous」の鏡⾯処理が施されたプレキシガラスは、正⾯でモチーフを見ようとする人の姿を映し、静謐かつ内省的な鑑賞体験をもたらす。
また「Extra Nervous」の鮮やかな⾊彩を持った抽象的な図形は、テーブルやエレベーター、窓、といった具体的な対象を想起させ、新型コロナウイルスの感染拡⼤下の極度に緊張した⽇常のなかで、多くの⼈が屋内を、あるいは屋内から屋外を改めて⾒つめ直したであろう光景と重なる。
パンデミックは、⽇々の暮らしのなかに⾮接触型のデジタルの環境を拡⼤させたいっぽうで、私たちの肉体が置かれる物理的な世界に、あらゆる意味での接触と摩擦(=テクスチャー)が介在していることを実感させた。本展を構成する「Mechanical Painting」と「Extra Nervous」の質感は、こうした、デジタル環境と物理世界の対象的なテクスチャーを表現しているとも⾔える。