EXHIBITIONS

名もなき実昌「@sanemasa5x #風景・それと・その他のಠ_ಠ」

タイトルコール「@sanemasa5x #⾵景・それと・その他の ಠ_ಠ」 2021  © Namonaki Sanemasa Courtesy Mizuma Art Gallery

 名もなき実昌が、ミヅマアートギャラリーでの初個展「@sanemasa5x #風景・それと・その他のಠ_ಠ」を開催する。

 名もなき実昌は、主にTwitterを拠点に活動。アカウント(@sanemasa5x)を利⽤して2015年より展覧会と並⾏しながら作品の投稿・発表してきた。インターネット上の⼈格や画家のキャラクター性を出発点として、タッチパネルやSNSなどのテクノロジーに影響された作品の制作を行っている。

 インターネットから収集したイメージを組み合わせて描かれる名もなき実昌の作品は、描写と検索が同居するなかでリアルタイムに制作され、作品の核となるモチーフの上には関連するイメージが次々と上書きされるように描かれる。情報の蓄積により画⾯は抽象化され、意図しないものも含め画像的に解体されたキャラクターが幽霊のように偏在することで、インターネット時代における現代の⾵景画となる。

 新型コロナウイルスによるパンデミックの影響もあり、ここ数年で急速にオンライン化とインターネットの深化が進んだ。その反⾯、⼈々の移動が制限されるなどの状況が続いたことで、あらゆる意味でモノの⾒⽅が単純なものへと変換されていくような感覚を持ったと作家は⾔う。

 本展では、このような状況においてまとまらないイメージを並列し、意図的に⽂脈を履き違えることで得られる新たな物語を描くことに挑戦をした作品群を発表。相容れないモチーフを同⼀視したり、モチーフの⼀部だけを拡⼤したりすることで、本来出現する物語にはない「まなざし ಠ_ಠ」を⽣み出す。

 名もなき実昌の作品は主に、「16:9」という⼀般的なディスプレイの⽐率に基づいており、本展ではそれと同じ⽐率のパネル21枚で構成される⾃⾝最⼤サイズ(486×630センチメートル)となる新作も公開。絵画に対する新たな挑戦として描き出された、現代を象徴する⾵景画を会場で体感してほしい。