EXHIBITIONS
オノデラユキ「ここに、バルーンはない。」
RICOH ART GALLERYでは、パリを拠点に活動する写真家・オノデラユキの個展「ここに、バルーンはない。」を開催する。
オノデラは東京生まれ。独学で写真を学んだのち、1993年からパリを拠点に発表を続けている。2006年にはフランスでもっとも権威ある写真賞「ニエプス賞」を受賞。日本国内でも数多くの展覧会を開催し、作品は東京都写真美術館、ポンピドゥー・センター、サンフランシスコ近代美術館、ポール・ゲッティ美術館、上海美術館などにコレクションされている。
デビューである「第1回 写真新世紀」(1991)から現在に至るまで、オノデラは写真というメディアの枠組みを超えた作品を制作をしてきた。そのアプローチは多彩であり、カメラ自体に手を加えて撮影したり、時にはペイティングの要素を取り入れるなど、自由な想像力を作品に投影している。
本展は、ギャラリーの8階と9階の2つのフロアを使い、リコーの「StareReap(ステアリープ)」による立体印刷の最新作に加え、隠しカメラで人々の仕草や動きを撮影した旧シリーズなど、オノデラ自身がこれまでの作品からセレクトした作品で構成される。
StareReapによる新作は、オノデラにとって初めてとなるデジタルカメラで撮影したイメージをベースに制作された。銀塩でプリントされた支持体の上に、StareReapで生成されたコラージュの図像を重ね合わせ、このアプローチによって、物質的なStareReapのプリント特性を引き出そうとしている。
今回のテーマ「ここに、バルーンはない。」は、1900年初めにパリで撮影され、戦争で溶かされたために、いまは存在しないあるモニュメントの写真を発端としている。第二次世界大戦中に姿を消した「溶けてなくなったバルーンの彫像」について思いをめぐらすことは、「なぜ溶かさなければならなかったのか」という理由を同時に想像することでもある。オノデラの新作7点は、激しさを増す世界情勢にオーバーラップするように、私たちに想像力の重要さをひときわ強く問いかける。
オノデラは東京生まれ。独学で写真を学んだのち、1993年からパリを拠点に発表を続けている。2006年にはフランスでもっとも権威ある写真賞「ニエプス賞」を受賞。日本国内でも数多くの展覧会を開催し、作品は東京都写真美術館、ポンピドゥー・センター、サンフランシスコ近代美術館、ポール・ゲッティ美術館、上海美術館などにコレクションされている。
デビューである「第1回 写真新世紀」(1991)から現在に至るまで、オノデラは写真というメディアの枠組みを超えた作品を制作をしてきた。そのアプローチは多彩であり、カメラ自体に手を加えて撮影したり、時にはペイティングの要素を取り入れるなど、自由な想像力を作品に投影している。
本展は、ギャラリーの8階と9階の2つのフロアを使い、リコーの「StareReap(ステアリープ)」による立体印刷の最新作に加え、隠しカメラで人々の仕草や動きを撮影した旧シリーズなど、オノデラ自身がこれまでの作品からセレクトした作品で構成される。
StareReapによる新作は、オノデラにとって初めてとなるデジタルカメラで撮影したイメージをベースに制作された。銀塩でプリントされた支持体の上に、StareReapで生成されたコラージュの図像を重ね合わせ、このアプローチによって、物質的なStareReapのプリント特性を引き出そうとしている。
今回のテーマ「ここに、バルーンはない。」は、1900年初めにパリで撮影され、戦争で溶かされたために、いまは存在しないあるモニュメントの写真を発端としている。第二次世界大戦中に姿を消した「溶けてなくなったバルーンの彫像」について思いをめぐらすことは、「なぜ溶かさなければならなかったのか」という理由を同時に想像することでもある。オノデラの新作7点は、激しさを増す世界情勢にオーバーラップするように、私たちに想像力の重要さをひときわ強く問いかける。