内藤礼展開幕から川崎市市民ミュージアムの救出完了まで。今週のアートニュース
今週(6月22日〜28日)、国内外であった主なアートニュースをプレイバックしてお届けします。
美術館
・新型コロナウイルスの影響で臨時休館している森美術館が、日時予約制で7月31日に再開することを発表。延期となっていた「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ」も開幕させる。
・アーティゾン美術館が6月23日に再開。石橋財団コレクションと現代美術家の共演によるシリーズ第1回「鴻池朋子 ちゅうがえり」、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館の展示帰国展「Cosmo-Eggs|宇宙の卵」、新収蔵作品の特別展示「パウル・クレー」、コレクション展示「印象派の女性画家たち」も開幕した。
・永青文庫が6月27日に再開。今後の展示スケジュールについても変更が発表された。
・金沢21世紀美術館が6月27日に再開。内藤礼の過去最大規模の個展となる「内藤礼 うつしあう創造」と、芸術の視点からスポーツの意味を問い直す「de-sport:芸術によるスポーツの解体と再構築」展が開幕した。日時指定入場制を導入しての再開となっている。
・2019年10月の台風19号により、収蔵庫への浸水と収蔵品の被害が確認された川崎市市民ミュージアム。昨年より行われた北収蔵庫からの救出や修復作業が完了したことが発表された。
・3月13日より臨時休館しているメトロポリタン美術館の分館「メット・ブロイヤー」が、再開せずに閉館することを発表。ハンガリー出身の建築家マルセル・ブロイヤーによって設計された同館の建物は、アメリカの美術館「フリック・コレクション」に譲渡される。
コロナにおける文化支援
・政府の第2次補正予算によって行われる文化庁の新たな文化支援策「文化芸術活動への緊急総合支援パッケージ」のうち、個人を対象とする部分の骨子が明らかにされた。最大で個人に150万円を支援する。
・神奈川県は、新型コロナウイルス感染症への対策を講じて文化芸術活動を再開する主催事業者等に対し、補助金を交付するための予算を6月の補正予算案に計上。7月10日の県議会で議決後、7月中旬の申請受付を開始することを明らかにした。
・京都市が意見を募っていた、新型コロナウイルスの影響を受ける芸術家などへ支援のニーズを明らかにする実態調査「京都の芸術家等の活動状況に関するアンケート」の調査結果が発表。創作発表の機会が失われたことによる経済的損失と支援ニーズの実態が明らかになった。
ギャラリー関連
・寺田倉庫は、2020年9月に「TERRADA ART COMPLEXII」をオープンさせることを発表した。21年春までに計10ギャラリーが入居予定。また新たなアートフェアも行われる。
・新型コロナウイルスの影響で今年開催中止となったアートフェア「アート・バーゼル香港」が2021年の出展申込みをスタートさせた。出展料に15〜30パーセントのディスカウントが適用されるほか、出展ギャラリーに対する選考基準も緩和される。