ASAKUSAが問いかける大衆文化の功罪。映像祭「アサクサエンターテイメンツ」で9作品を上映
東京・浅草にあるギャラリーASAKUSAで、映像祭「アサクサエンターテイメンツ」が開催。ヒト・シュタイエルやアントン・ヴィドクルなどによる計9作品を3つのプログラムに分け、2月18日から3月4日まで毎日上映する。
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東京・浅草のギャラリーASAKUSAで2月18日から開催される映像祭「アサクサエンターテイメンツ」。これは、浅草を訪れる国内外からの観光客および近隣住人を招き、SF、新興宗教からジャーナリズムまで、大衆に向け発せられ人々の考えを規定してきた「文化」について、地政学の視点から批評的に考察する試みだ。
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上映されるのは、英雄として命を落とした親友アンドレアの肖像をもとに大衆メディアを分析するヒト・シュタイエル《ノーベンバー》(2004)、1980年代、労働者の町・山谷における支配構造を暴き出した佐藤満夫 / 山岡強一《山谷ーやられたらやりかえせ》(1985)、文化人類学者でありポルトコロニアル論者として知られるトリン・T・ミンハ監督の新作《忘却のベトナム》(2015)ほか、アントン・ヴィドクル《全人類に不死と復活を!》(2017)、コラクリット・アルナーノンチャイ《おかしな名前の人たちが集まった部屋の中で歴史で絵を描く4》(2017)など計9作品。
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ASAKUSAでは本プログラムにあわせ、思想家ミッシェル・フーコーの統治論(講演録『批判とは何か?』)からの一部抜粋訳に加え、各上映作品の解説、および『統治されないための「芸術」』(アサクサ)をまとめた小冊子を販売。
また3月初旬には、新作撮影にあわせて来日するアーティスト アントン・ヴィドクルと、テルミン奏者・竹内正美による作品上映・演奏会および対談も開催予定。ロシア宇宙主義で知られる思想家 ニコライ・フョードロフと、世界初の電子楽器を発明したレフ・テルミンをそれぞれ研究する2人のアーティストとともに、20世紀初頭の不死思想を考察する。
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