庭園に咲くクレマチスとの競演。
須田悦弘がヴァンジ彫刻庭園美術館で最新作を発表
精巧な草花の木彫作品をインスタレーションで発表する須田悦弘の個展が、ヴァンジ彫刻庭園美術館で開催される。美術館庭園に咲くクレマチスをモチーフに、多数の最新作を発表する。会期は2018年4月22日〜10月30日。
須田悦弘は1969年山梨県生まれ。独学で木彫の技術を身につけ、本物と見間違えるほど精巧な草花の彫刻作品を制作し、インスタレーションを通して発表してきた。その小さく繊細な作品によって空間全体が大きく見違える展示は、国内外で高く評価を受けている。近年では、2017年の台湾・毓繡美術館での個展や、「カルタヘナ・ビエンナーレ」(コロンビア、2014)や「シドニー・ビエンナーレ」(オーストラリア、2012)への参加などで、発表を続けている。
本展の主役となるのはクレマチスの花。ヴァンジ彫刻庭園美術館では、併設する庭園で、250品種2000株以上のクレマチスが栽培されている。須田もまた、これまでもクレマチスの花に関心を持ち、作品の題材として制作を続けていた。今回、須田は展覧会にあわせ多様な品種のクレマチスをモチーフに新たに制作し、発表する。
須田の作品において、空間と密接に関係付けられるインスタレーションという展示方法が深く意味を持つが、本展も美術館の空間と結びついた、ここでしか体験できない展示となっている。また、会期中には庭園で様々なクレマチスが咲き、展示とともにクレマチスの競演が繰り広げられる。