ポケットのホッチキスからたどる第一次世界大戦の記憶。横湯久美が個展開催
死者や過去との付き合い方について写真とテキストで探ってきた横湯久美が、原爆の図 丸木美術館で個展を開催する。会期は2018年3月10日〜4月21日。
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横湯久美は1966年千葉県生まれ。「死者の声は本当にもう聴けないのか」や「生き残った者は死者や過去とどのように付き合うのか」などを思索し、写真とテキストで探ってきた。
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本展では、第一次世界大戦の年に生まれ、第二次世界大戦を弾圧のなか生き残った祖母による話を、怖さや残酷さも含んだ、20世紀の民話のようにたどっていく《爆弾か 黒雪ダルマ 雪ダルマ / Are They Bombs? Or Snowmen, Black or White》やその祖母が生けた花と花瓶を手がかりに制作した《花瓶の話 / The Story Of The Base》など、祖母の生涯に思いを巡らせた4つの過去作品シリーズを展示。
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さらに、100年前に始まった第一次世界大戦について、その発端となるサラエボ事件に用いられた小さなピストルと、ポケットに収まるホッチキスから探る新作《世界大戦と私のホッチキス / My Stapler On The World War》を展示。過去作品とあわせて、各シリーズの相互関係から新たな表現をつくりだすことを試みる。
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