宝石を凌ぐ価値を持つ。
「アンティーク・レース」の
優美な世界に酔いしれる
世界的なアンティーク・レースのコレクターで鑑定家でもあるダイアン・クライスの数万点にもおよぶ膨大なコレクションから約170点のアンティーク・レースを紹介する「ダイアン・クライスコレクション アンティーク・レース展」が渋谷区立松濤美術館で開催される。会期は2018年6月12日〜7月29日。
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「アンティーク・レース」は、熟練したレース職人たちが長い時間をかけて手作業で制作した芸術品であり、ときには城や宝石を凌ぐほどの価値を持ってきた。その超絶技巧ともいえる技術は現在ではほとんど失われてしまい、私たちがいま目にするレースとは一線を画す。
「ダイアン・クライスコレクション アンティーク・レース展」は、世界的なアンティーク・レースのコレクターで鑑定家でもあるダイアン・クライスの数万点にもおよぶコレクションの中から、16世紀から19世紀のレース全盛期の作品を中心に、約170点を紹介。本展は、「誕生と変遷」「レースに表現されるもの」「王侯貴族のレース」「キリスト教文化に根付くレースの役割」「ウォー・レース」の5章で編成されている。
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かつてマリー=アントワネットやヴィクトリア女王といった王侯貴族たちの間で富と権力の象徴として流行した「ロイヤル・レース」や、ヨーロッパのキリスト教信仰に根付く文化としてファッションやインテリアに取り入れられたレースなど、時代とともにその性格や意味を変えてきた「アンティーク・レース」の歴史を通覧できる内容となる。
独自のシンボルを様々な技術で表現した「アンティーク・レース」は、その歴史的背景をあわせて知ることで当時の空気感を、そして、そのシンボルが持つ意味からは、所有者の思いまでも汲み取ることができるだろう。
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