フィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルトの個展が葉山で開催。建築から家具、器までを紹介
フィンランドを代表する建築家であるアルヴァ・アアルトの個展「アルヴァ・アアルト―もうひとつの自然」が、神奈川県立近代美術館 葉山にて開催される。個人の邸宅や教会、図書館などをはじめ、万博のパヴィリオンや家具なども手がけるなど、幅広く活動したアアルトの作品を多角的に見ることができる展覧会だ。会期は2018年9月15日~11月25日。
アルヴァ・アアルトは1898年フィンランド生まれの建築家・デザイナー。大学で建築を学び、建築事務所での勤務を経て1923年に個人事務所を設立。以後、図書館や教会、個人の住宅など幅広く建築物を設計したほか、37年にパリ国際博覧会フィンランド館、39年にニューヨーク国際博覧会フィンランド館を手がけるなど、フィンランドを代表する国際的な建築家として活動した。
その作風は、初期こそ新古典主義に基づくものであったが、その後モダニズムの作風へと変化。28年に竣工したパイミオ(フィンランド)のサナトリウムが高く評価され、北欧でモダニズム建築を牽引するきっかけとなる。
また、35年に竣工したヴィープリ(ロシア)の図書館に特徴的な、木を用いながら曲線を描く波型の天井は、フィンランドの伝統的な素材である木材とモダニズム空間を両立されることで高く評価された。以後、ゆるやかな曲線はアアルトの作風の代名詞にもなり、建築だけではなく家具などにも用いられることとなる。
そんな北欧を代表する建築家であるアアルトの創造の世界とデザイン感覚を紹介する展覧会が、神奈川県立近代美術館 葉山で開催される。本展はドイツのヴィトラ・デザイン・ミュージアムと、フィンランドのアルヴァ・アアルト美術館による国際巡回展だ。
アアルトは自然を究極的なモデルとしてとらえ、素材やフォルムに採り入れることで自然と共存する建築を生み出した。いっぽうで、アアルトによる感覚を心地よく刺激する曲線が特徴的な家具やガラス器は、今日でも世界中で高い人気を誇っている。
今でも世界中で愛されているアアルトの創作の数々を、ヴィンテージ・プロダクトを含む300点以上の作品と資料などから多角的に紹介する。