時代やジャンルを超越するアートとは。リチャード・タトル展「8, or Hachi」が小山登美夫ギャラリーで開催
リチャード・タトルの個展「8, or Hachi」が、東京・六本木の小山登美夫ギャラリーで開催される。本展では8点の新作を紹介。ドローイングや絵画と立体の間を揺れ動くような、タトルの自由な作品世界を楽しむことができる。会期は10月20日〜11月17日。
リチャード・タトルは1941年アメリカ、ニュージャージー州生まれ。ハートフォード市のトリニティ大学で哲学と文学を学んだのち、24歳で美術家としての活動をスタート。34歳のときに開催したホイットニー美術館での個展は話題を呼び、タトルの美術家としてのキャリアに大きく影響した。
これまでにサンフランシスコ近代美術館、ホイットニー美術館、テート・モダンなどでの個展を開催してきたほか、ヴェネチア・ビエンナーレ、ドクメンタ、ミュンスター彫刻プロジェクトなどの国際展にも数多く参加。ポスト・ミニマリズムを代表するアーティストのひとりとして、つねにアートシーンをリードしてきた。
彫刻、ペインティング、ドローイング、コラージュ、インスタレーション、そして詩などの言語を用いて、多様な作品群を発表しつづけるタトル。木、紙、布、針金、ロープなど、強靭とは言いがたい日常的な素材に色彩や線を施してつくられる作品は、ドローイングや絵画と立体の間を揺れ動くような自由な表現が特徴だ。
詩のように小さなフォルムを通して観客の感覚を拡張していく表現を好み、「小さなもののなかに複雑な意味が凝縮されていることに感動を覚える」と語るタトル。今回、東京・六本木の小山登美夫ギャラリーで開催される個展「8, or Hachi」では、8点の新作を見ることができる。
展覧会タイトルである「8, or Hachi」にも、そのような詩的な表現が込められており、作品が色々な意味の文脈を示唆することによって、様々な鑑賞の可能性を開くことを試みるという。