やなぎみわ展「神話機械」が高松市美術館で開催。虚実のはざまで動き出す、機械仕掛けの神話世界とは?
現代美術と演劇の分野で活躍してきた作家、やなぎみわ。その10年ぶりとなる個展「神話機械」が、香川県の高松市美術館で開催される。過去の代表作の展示に加え、新作のプロジェクトやパフォーマンスも上演。会期は2019年2月2日〜3月24日。
やなぎみわは1967年兵庫県生まれ。90年代半ばに、制服を身につけた案内嬢が商業施設にたたずむ写真作品《エレベーターガール》で脚光を浴びる。その後も《マイ・グランドマザーズ》や《フェアリーテール》などの写真作品を発表し、国内外で個展を開催。2009年には、第53回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館の代表に選ばれた。
また、10年からは演劇プロジェクトを始動。あいちトリエンナーレ2013で上演された『ゼロ・アワー 東京ローズ 最後のテープ』や、巨大な台湾製のトレーラー車をステージに、16年から日本各地を巡回する野外劇『日輪の翼』(原作:中上健次)で話題を集めた。
そんなやなぎの約10年ぶりとなる個展「神話機械」が、高松市美術館で開催される。本展では過去の代表作のほか、舞台作品も資料や映像で紹介。近作では、やなぎが16年から「日本神話と桃」をテーマに福島県で取り組んできたシリーズ《女神と男神が桃の木の下で別れる》が、日本で初めて展示される。
また、約1年前に立ち上がった「モバイル・シアター・プロジェクト」の成果も披露。会場には京都、高松、前橋、福島の大学等の連携のもと制作されたマシン4機が登場し、ウィリアム・シェイクスピアやハイナー・ミュラーなどの戯曲の一場面をオートマチックに上演しつづけるという。
なお、本展はアーツ前橋、福島県立美術館、神奈川県民ホールギャラリー、静岡県立美術館を巡回予定。各会場では「モバイル・シアター・プロジェクト」の一環として、やなぎの構成・演出によるライブパフォーマンス《Myth Machines》が上演される。