「にんげんレストラン」から「人間レストラン」へ。三野新《「息」をし続けている》の常設展をチェック
2018年に歌舞伎町で行われたChim↑Pom主催の「にんげんレストラン」。ここで発表された三野新の《「息」をし続けている》が、同じく歌舞伎町にある「人間レストラン」に常設展示されている。
2018年10月14日〜28日の2週間にわたり、東京・新宿の歌舞伎町で行われたChim↑Pomによる「にんげんレストラン」。同イベントは、同年歌舞伎町さくら通りにオープンした「人間レストラン」の店名をアイデアソースにしたもので、旧歌舞伎町ブックセンタービルの取り壊しに合わせて展開された。
この「にんげんレストラン」で発表された三野新による《「息」をし続けている》が、「人間レストラン」で現在常設展示されている。
同作は、サミュエル・ベケットの戯曲『息』を原案に、三野が会期中休むことなく毎日行っていたパフォーマンス。当初は自らの「息」を録音し、会場で再生するものだったが、会期中の2018年10月に歌舞伎町では7件の飛び降り自殺が起きていたことを受け、「息をし続ける」ことの重要性と共に変化。会期後半には、三野自らマイクとスピーカーを携え、自殺が起こった現場でパフォーマンスを行う場面もあった。
同作は、「にんげんレストラン」閉幕とともに展示が終了したが、「人間レストラン」を運営するスクラムライスが「(同作は)歌舞伎町という町に存在し続けることに意義がある」とし、常設展示することを決定したという。
作品は人間レストランに至る階段部分に設置してあり、「人間レストラン」営業時間内であればいつでも鑑賞可能となっている。