『ブレードランナー』から『エイリアン2』まで。名作映画の美術を手がけるデザイナー、シド・ミードの原画展が開催中
映画『ブレードランナー』や『エイリアン2』などのプロダクション・デザインを手がけたことで知られるデザイナー、シド・ミードの原画展「シド・ミード展 PROGRESSIONS TYO 2019」がアーツ千代田 3331で開催されている。本展ではアイデアスケッチから水彩画、イラストレーションまで、約150点を見ることができる。会期は6月2日まで。
これまでSF映画のデザインを数多く手がけ、「ビジュアル・フューチャリスト」として世界中に影響を与えてきたシド・ミード。その活動歴のなかから約150点を紹介する展覧会が、アーツ千代田 3331で開催されている。
フォード社のカーデザイナーとしてキャリアをスタートさせたミードは、1970年に独立。その後の79年、初の個人画集『センチネル』をきっかけに、映画監督のリドリー・スコットが『ブレードランナー』(1982)のインダストリアル・デザイナーとして起用し、映画界で注目を集めた。映画美術の仕事では『スタートレック』(1979)を皮切りに『トロン』(1982)、『エイリアン2』 (1985)など名作の数々に携わり、いまやレジェンド的存在となっている。
本展では、ミード自身が所有する膨大なアーカイブから、厳選された約150点の画稿を紹介。自動車や建物を描いたイラストレーション、映画のためのスケッチや未発表の初期デザイン、プロモーション用のアートなどが並ぶ。
加えて、日本でのプロジェクトにフォーカスを当てた章では、『YAMATO 2520』のCAD設計図やイラストレーション、『∀ガンダム』におけるモビルスーツのデザインなどが展示される。また、最新刊の画集『シド・ミード ムービーアート』で翻訳・監修を務めた松井博司によるミードのコレクションも紹介。鉛筆による下絵から完成にいたるまで、その制作過程を見ることができる。