美術館が街に出る!
清澄白河で
「MOTサテライト」開催へ
現在、大規模改修のため休館している東京都現代美術館(2018年度中に開館予定)は、2017年2月11日より、清澄白河エリアで「MOTサテライト 2017春 往来往来」を開催すると発表、参加アーティストなどが明らかになった。
「MOTサテライト」は、休館中の美術館が外に出て、近隣のさまざまな拠点と協力し、アーティストや住民たちとともに、場所や人、記憶や歴史と関わりながら、まちの魅力を掘り起こしていく試み。
今回の「MOTサテライト」では、飯山由貴+ remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]、カニエ・ナハ+大原大次郎、クサナギシンペイ、ごはん同盟、佐野文彦、花代、ひがしちか(Coci la elle)、松江泰治、mi-ri meter、毛利悠子、吉増剛造プロジェクト(吉増剛造、カニエ・ナハ、高柳克弘ほか)といった清澄白河エリア界隈に由縁のあるアーティストたちが参加。またこのほかに、キュレーター・小澤慶介が主宰する「アートト」や、デザインチーム・gift_とAS(アンドレアス・シュナイダー)がタッグを組んだ「gift_+AS」がフェロー・プロジェクトとして、参加する。
本イベントについて、企画を担当する東京都現代美術館学芸員・藪前知子は、「休館をいい機会ととらえ、街で展開するもの。清澄はここ数年で雰囲気が変わった。下町文化とクリエイティブ文化が混在し、注目されている。このエリアと美術館が付き合っていこうというもの」と説明。松尾芭蕉が居を構えた地域としても知られる清澄白河。「往来往来」というテーマは、この地域が江戸時代から人やものの「往来」の舞台となったこと、あるいは「往来」という語が人と人との交流を意味することから名付けられたという。
この新たな都市型アートプロジェクトは、地域とどのようなシナジーを起こすのか。現代美術館と地域の新しい関係性を示すものとして注目したい。なお、「MOTサテライト」は来年度以降も継続される。