ドキュメンタリーとフィクションの間にある世界。シャネル・ネクサス・ホールでヴァサンタ・ヨガナンタンの日本初個展「A Myth of Two Souls 二つの魂の神話」が開催
東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで、フランス人写真家ヴァサンタ・ヨガナンタンの日本初となる個展「A Myth of Two Souls 二つの魂の神話」が開催。本展では、ヒンドゥー教の聖典のひとつ『ラーマーヤナ』に着想を得た作品群が展示される。会期は9月3日〜29日。
ヴァサンタ・ヨガナンタンは、1985年生まれパリ在住の写真家。2015年にマグナムフォトアワードを受賞し、17年にはその年の期待される新進写真家としてICP(国際写真センター)インフィニティアワードに輝くなど、いま注目を集める写真家のひとり。
ドキュメンタリーとフィクションの間にある世界を探求するヨガナンタン。その日本初個展となるのが、シャネル ネクサス ホールの「A Myth of Two Souls 二つの魂の神話」だ。
「A Myth of Two Souls」は、紀元前300年頃に詩人ヴァールミーキが編纂した『ラーマーヤナ』に着想を得て制作されたシリーズ。『ラーマーヤナ』はヒンドゥー教の聖典のひとつであり、何世紀にもわたって幾度となく書き換えられ、再解釈されてきた。
『ラーマーヤナ』の登場人物は、王国から14年間追放されたアヨーディヤーの王子ラーマとその妃シータ。古典的な叙事詩であり、そこには恋、誘拐、戦争といった要素が含まれている。ヨガナンタンは、この『ラーマーヤナ』の物語の道筋をたどるように2013年よりインドを北から南へ旅し、現地の人々と生活を共にしながら撮影を行った。
「A Myth of Two Souls」のストーリーは、風景写真と『ラーマーヤナ』の役柄を演じる人物の写真によって展開され、4x5インチの大判カメラで撮影されたモノクロ作品には、伝統的な手彩色を学んだインド人画家による着色が施されているという。
現実とフィクションの境界線が曖昧になった、叙事詩的な旅を楽しみたい。