幼少期の心象風景をモチーフに。Maki Fine Artsで渡辺豊の初期作品を見る
画家・渡辺豊の初期作品を紹介する展覧会「Early works」が、東京・神楽坂のMaki Fine Artsで開催される。会期は8月31日〜9月22日。
画家・渡辺豊の個展「Early works」が、東京・神楽坂のMaki Fine Artsで開催される。会期は8月31日〜9月22日。
渡辺は1981年東京生まれ。2007年に武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コースを修了した。近年の主な個展に「The good old things is new forever」(switch point、東京、2016)、「soft construction」(Maki Fine Arts、2017)、「NAME」(Maki Fine Arts、2018)などがある。また現在は、箱根のポーラ美術館で開催中の展覧会「シンコペーション : 世紀の巨匠たちと現代アート」(8月10日〜12月1日)に参加している。
18年以降、人物の名前や苗字をインターネットで画像検索し、検索結果を再構築した肖像的なイメージを描いている渡辺。一連の作品群は、多面的な視点と色面が重なり合い、キュビスムの絵画を連想させる。
現在の手法にたどり着く以前は、「空き地」をモチーフとして、自身の記憶のなかで鮮明に建つ家屋など比喩的な構造物を描いていた。「OO-PARTS」と題された初期の作品シリーズからは、そういった渡辺の未知なるものへの関心と空想的な感覚がうかがえる。
本展では、2010年以前の初期作品にフォーカス。ポーラ美術館で発表している新作と、本展での初期作品をあわせて見ることで、渡辺の世界観を体系的にとらえ、表現の変遷をたどることができる。