国立科学博物館や岡本太郎美術館も。休館で脚光浴びる展覧会のVR
新型コロナウイルスの影響で臨時休館が続くなか、高精細なVRで展覧会を公開する取り組みが増えている。
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新型コロナウイルスの影響で美術館や博物館、ギャラリーの臨時休館が長引くなか、各施設ではオンラインコンテンツの充実が課題のひとつとなっている。そこで増えつつあるのが、VRを使った展覧会公開だ。
例えば国立科学博物館は、「かはくVR」で地球館と日本館のすべてをVR化。「地球館」では地下3階から3階までを、「日本館」では地下1階から3階までを網羅した。巨大な恐竜の骨格標本から剥製、産業資料まで同館が誇るコレクションを堪能できる。
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また川崎市にある岡本太郎美術館は、開幕延期となっている企画展「音と造形のレゾナンス-バシェ音響彫刻と岡本太郎の共振」展をVRでいち早く紹介。常設展もあわせてVR化した。
天王洲のギャラリーANOMALYも、会期半ばで閉廊となった淺井裕介「なんか/食わせろ」展をVR化するなど、アート界でVRへの取り組みが加速している。
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こうしたVR化を手掛けるのは、一般社団法人VR革新機構だ。同機構では、もともと不動産物件の内見用に開発されたMatterport社の撮影システムのライセンスを取得。このシステムは、展示空間のドールハウスや平面図もAIによって作成できるのが大きな特徴となっている。
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同機構はこれを使い、ボランティアで展覧会をVR化してきた。新型コロナの影響で臨時休館が続く美術館だけでなく、全国の水族館やテーマパークなどからも問い合わせが多くなっているといい、VRへの需要は今後も増えるのではないかと予測する。
実際に反響も大きい。国立科学博物館によると、「かはくVR」は公開から6日で60万アクセスがあったといい、これは年間来館者の約4分の1が訪れた計算になる。同館では、もともと科博ファンや子供向けコンテンツとしてこのVRを制作しており、今後のさらなる活用を検討したいとしている。
展覧会を丸ごとデータでパッケージできるVR。パンデミックで美術館へのアクセスが制限されることがわかったいま、これからの展覧会アーカイブのツールとして、より一層重要になりそうだ。