「SINA SUIEN」有本ゆみこが個展で4年ぶりの新作を発表。刺繍の大作のほか、テーラーメイドの技術を駆使したスーツも
展覧会からアーティストの衣装制作、マンガ執筆、楽曲の作詞まで多彩な活躍を見せる刺繍作家の有本ゆみこ。その刺繍作品展「よるのしじま」が、原宿のセレク トショップ「Lamp harajuku」で開催される(7月2日~31日)。本展では、4年ぶりの新作をお披露目する。
展覧会からアーティストの衣装制作、マンガ執筆、楽曲の作詞まで多彩な活躍を見せる刺繍作家の有本ゆみこ。有本によるブランド「SINA SUIEN」は、人々を外部からの感覚を遮断するイメージのもと、ときにパラレルでサイケデリックな衣服を展開している。
その刺繍作品展「よるのしじま」が、原宿のセレク トショップ「Lamp harajuku」で開催される(7月2日~31日)。前回の刺繍作品展「睡園」(Lamp harajuku、2016)より4年が経過し、今回有本が新たに挑戦したのは、大きな虎と勇敢な9羽の鳥たちをモチーフとした刺繍作品だ。
オーダーメイド、一点もののつくり手として唯一無二を目指す有本。3年間にわたって、銀座にある老舗オーダースーツ工房でテーラーメイドの技術を学び、しつけの縫い方や指ぬきの使い方などを、一から勉強し直したという。本展では、学んだばかりのテーラーメイドの技術を駆使して1着のオーダースーツをつくり、展示販売を実施。そのほか、靴職人「La Rificolona」(ラ リフィコローナ)と3度目の共作となるローファー、COPACKのマネキンを使用した作品も展示する。
そして、今年1月に発表したマンガとネームの作品を合わせた本『よるのしじま』と、その電子版『しじまと光太郎』もリリース。グラフィックデザイナー・山下ともこと協働した『よるのしじま』は、「マンガ本」というかたちをした、SINA SUIENのプレタポルテコレクションとして発表される。そこには、消費されるマンガではなく、未来に残っていくような「作品としてのかたち」を模索する有本の思いが示される。ネームや設定資料、ドローイングが納められた300ページの本。感情と連動した筆圧や鉛筆のタッチなどにこだわった没入感のある1冊だ。
今回メインビジュアルのモデルを担当したのは歌手の川本真琴、撮影は写真家の佐内正史、ヘアメイクはヘアメイクアップアーティストの奥平正芳。有本は、19年に発売された川本の9年ぶりの新作《新しい友達》の収録曲『トムソンガゼルになりたかった』を作詞したことがきっかけで、楽曲の世界観をさらに広げながら今回のマンガ作品や刺繍作品を制作したという。
7月1日には、川本と有本による初のトークライブ「有本ゆみこと川本真琴のしじまナイト」の無料生配信が行われる。撮影の裏話や衣装、プライベートファッションにまつわるトーク、そしてふたりによる音楽セッションなど貴重な内容が語られる。
このトークライブのために制作されたSINA SUIENのスペシャルワンピースをふたりが身にまとい、ファッションショーや歌を披露する。トークライブのほか、刺繍ライブ配信なども予定されているので、本展開催前にチェックしたい。