自然界や社会における「不可視の力」の作用に着目。東京都現代美術館「MOTアニュアル2020 透明な力たち」が11月に開催
若手作家の作品を中心に、現代美術の一側面を切り取る東京都現代美術館の年次展「MOTアニュアル」。第16回目は「透明な力たち」と題して、5組のアーティストを紹介する。会期は11月14日〜2021年2月14日。
若手作家の作品を中心に現代美術の一側面を切り取り、問いかけや議論のはじまりを引き出す東京都現代美術館の年次展「MOTアニュアル」。その第16回「MOTアニュアル2020 透明な力たち」が開催される。会期は11月14日~2021年2月14日。
本展では、人や物を動かしている自然界・社会における不可視の力の作用に着目し、そのメカニズムを再構築しようと試みる5組のアーティストを紹介。バイオアートやソフトウェアアートなどの多彩な表現、そして回転や振動を伴うからくり装置から参加型プロジェクトまで、「動きのある」インスタレーションが集結する。
片岡純也+岩竹理恵は、2013年のパリでのレジデンスをきっかけに2人組のアートユニットとして活動を開始。日用品に物理的なエネルギーを加え、本来の役割とは異なる動きを見せるキネティックな作品と、繊細なコラージュ作品からなるインスタレーションを展開する。
清水陽子は、自然・生命・宇宙のメカニズムをテーマに、ミクロの世界からマクロの現象まで、その美しさを可視化する作品を制作。中島佑太は、人々が持つ「当たり前」を日常とは異なる視点から問い直し、ワークショップや遊び的な活動を通してその再構築・書き換えを試みる。
Goh Uozumiは、三上晴子のもとでメディア・アートを学び、アートとテクノロジーの領域で活動。「文明における自動化の動向」を考察する作品を発表する。久保ガエタンは、自然科学的に知覚できないもの、精神分析や社会科学のなかの見えない関係性を「オカルト(隠された存在)」と呼び、独自の装置を通して考察を続ける。激しい運動を伴う装置と淡々と語られる作家のナラティブは、鑑賞者の身体感覚に強く訴えかける。
なお本展の同時開催は、企画展「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」とコレクション展。こちらもあわせてチェックしたい。