自然を生かす建築家・藤森照信の
仕事を水戸芸術館で振り返る
独創的な建築作品で知られる建築家・藤森照信の仕事を紹介する「藤森照信展―自然を生かした建築と路上観察」が、水戸芸術館現代美術ギャラリーで3月11日より開催される。
1946年長野県茅野市生まれの藤森照信は、東北大学、東京大学大学院で建築を学んだのち、近代建築史・都市史研究の第一人者として活躍。45歳で故郷の神長官守矢史料館(1991)の設計を手がけ、建築家としてデビューを果たす。以来、四半世紀にわたり約40の独創的な建築作品をつくり出し続けてきた。
藤森の作品は、屋根にタンポポが植えられた住宅《タンポポハウス》(1995)、皮付きの木材を柱にした鳥の巣箱のような茶室《高過庵》(2004)など、建築の斬新さと懐古性をあわせ持つような非常に独創的な建築で知られている。
本展では、藤森の長年のテーマである「自然素材をどう現代建築に生かすか」「植物をどう建築に取り込むか」に主眼を置き、代表的な建築をスケッチ、模型や写真で紹介するとともに、これまで手がけた建築の屋根、壁、左官などの素材見本、家具などを展示し、藤森の仕事を紹介する。