国内3美術館の西洋美術コレクションから石岡瑛子のデザインまで、今週末に見たい展覧会ベスト3
今週始まった展覧会から、とくに注目したい3つをピックアップしてお届けする。予約方法や注意事項については、各館や芸術祭の公式ウェブサイトを参照してほしい。
3美術館の珠玉のコレクションが一同に。「トライアローグ 横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション」(横浜美術館)
日本の各地方を代表する3つの大型公立美術館、横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館の各館が誇る西洋美術コレクションが集結する展覧会。
パブロ・ピカソ、パウル・クレー、ルネ・マグリット、ゲルハルト・リヒターらの作品約120点により、表現手法と概念の刷新が繰り返された20世紀の西洋美術の足跡をたどる。3館のコレクションを合わせることで、欧米の展覧会にも劣らない名品が出揃った。
展示は第1章「1900s──アートの地殻変動」、第2章「1930s──アートの磁場転換」、第3章「1960s──アートの多元化」の3章で構成。20世紀初頭に興ったキュビスム、フォーヴィスム、表現主義を皮切りに、ダダやシュルレアリスム、さらにネオ・ダダ、ミニマル・アート、コンセプチュアル・アートまでの歴史を、絵画作品を中心に諦観することができる展示となっている。
会期:2020年11月14日~2021年2月28日
会場:横浜美術館
住所:神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1
電話番号:045-221-0300
開館時間:10:00~18:00(入館は17時30分まで)※日時指定予約制での入場
休館日:木(2021年2月11日を除く)、 12月29日~ 2021年1月3日、2月12日
料金:一般 1500円 / 65歳以上(要証明書)1400円 / 大学・専門学校生 1100円 / 中高生 500円
アラスカの広大さを没入型インスタレーションで体験。ダグ・エイケン「《New Ocean: thaw》」(エスパス ルイ・ヴィトン東京)
これまで未公開のフォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵作品を、各地のエスパス ルイ・ヴィトンで展示する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラム。この一環として、ダグ・エイケンによる没入型の映像インスタレーション《New Ocean: thaw》を紹介する展覧会が、東京・表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京で開催中だ。
ダグ・エイケンは1968年アメリカ・カリフォルニア生まれのアーティスト。その作品は写真、彫刻、建築的介入からビデオ作品、インスタレーションまで多岐にわたる。人物像と風景を中心に据えた実践は、単純な視覚的知覚の境界を超え、身体的な感覚の特性を帯びている。
今回展示される《New Ocean: thaw》は、アラスカの詩情あふれる広大さへの新たな視点を提示する没入型プロジェクション。19世紀のパノラマで表現されるような、自然に対するロマンティックな感情に迫りつつ、気候変動や大火災、氷河融解といった現代の状況が作品を取り巻くことになる。
会期:2020年11月13日〜2021年2月7日
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
住所:東京都渋谷区神宮前5-7-5 ルイ・ヴィトン表参道ビル7F
電話番号:0120-00-1854
開館時間:12:00〜20:00
休館日:ルイ・ヴィトン 表参道店に準ずる
料金:無料
世界的デザイナーの大規模回顧展。「石岡瑛子 血が、汗が、涙がデザインできるか」(東京都現代美術館)
世界的デザイナーとして知られる石岡瑛子(1938〜2012)の世界初となる大規模回顧展が、東京都現代美術館で開催される。
石岡は1938年東京都生まれ。東京藝術大学美術学部を卒業後に資生堂に入社し、社会現象となったサマー・キャンペーン(1966)を手がけ、頭角を現した。独立後もパルコや角川書店などの数々の歴史的な広告を制作し、80年代初頭には拠点をニューヨークに移す。その後は映画やオペラ、サーカス、演劇、ミュージック・ビデオなど、多岐に渡る分野で活躍を見せた。
同展では石岡のデザインプロセスを示す膨大な資料や、『ドラキュラ』(1992)、『落下の王国』(2006)、『白雪姫と鏡の女王』(2012)、オランダ国立オペラ『ニーベルングの指環』(1998-1999)など、ハリウッド・アカデミーをはじめとする世界各国のアーカイブから集められた映画・舞台衣装を展示。石岡のデザイナー人生を総覧することができる。
会期:2020年11月14日〜2021年2月14日
会場:東京都現代美術館
住所:東京都江東区三好4-1-1
開館時間:10:00〜18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(11月23日、2021年1月11日は開館)、11月24日、12月28日〜2021年1月1日、1月12日
料金:一般 1800円 / 大学生・専門学校生・65歳以上 1300円 / 中高生 700円 / 小学生以下無料