超絶技巧の切り絵の世界へ。盛田亜耶が個展「オフィーリアのために」で大作を発表
超絶技巧の切り絵アーティスト・盛田亜耶の個展「オフィーリアのために」が、東京・乃木坂のギャラリー・アートアンリミテッドで開催されている。会期は1月20日~2月27日。
超絶技巧の切り絵で注目を集める盛田亜耶の個展「オフィーリアのために」が、東京・乃木坂のギャラリー・アートアンリミテッドで開催されている。会期は1月20日~2月27日。
盛田は、名画の構図をもとに、現代人をモデルに解剖学的な興味から身体を骨格や内臓まで描き、動植物と一体化させる切り絵のアーティスト。一枚の紙と一本のカッターで微細に切り出すその独創的なイメージは、凄絶な迫力と魅力を湛える。
本展では、象徴派の名作とされるミレーの《オフィーリア》(1851~52)から着想した新作の大作を発表。盛田は、コロナ禍でより「生」を肯定的にとらえるようになり、絶命したオフィーリアが生きていたらと想定しながら本作を制作したという。この作品に加えて、未発表の切り絵12点も見ることができる。盛田は、本展に次のようなコメントをしている。
象徴派のミレーの『オフィーリア」は、狂気の象徴であり、私には男性視点の理想の女性像に思えました。私の「オフィーリア」 は彼女を死から開放し、ハムレットの為に命を落とす事なく、純潔の白を想像させない黒い紙でカットしました。制作に没頭する中で、私は「死」よりも「生」を強く意識し、か弱い女性を表現するのではなく、現代に生きる優しさと力強さが融合した女性像 を描こうと思ったのです。