Gallery COMMONが新スペースに移転。こけら落としはコラージュ作品で知られる河村康輔の個展

　渋谷・神宮前のGallery COMMONが、同じく神宮前の新たなスペースに移転する。この新ギャラリーのオープニングに合わせ、11月20日より河村康輔による個展「TRY SOMETHING BETTER」を開催。会期は12月19日まで。

　河村は1979年広島生まれ。高校卒業後に上京しグラフィックデザイナーとして活動後、2000年代前半よりアーティストとしてキャリアをスタート。これまでにアディダス、カシオ、ユニクロといったブランドや、『機動戦士ガンダム』『AKIRA』『新世紀エヴァンゲリオン』といった作品とのコラボレーションを実施。また国内外で展覧会を開催してきた。

　とくに2019年の渋谷PARCO建て替え工事中に仮囲いで展開した『AKIRA』のアートウォールは大きな話題を集めた。その後、「PARCO MUSEUM TOKYO」と「GALLERY X」のこけら落としとして、仮囲いを再構築したコラージュ作品を展示する「AKIRA ART OF WALL Katsuhiro Otomo × Kosuke Kawamura AKIRA ART EXHIBITION」も開催されている。

　河村は制作時に有名な写真や評価されているものはあえて避けて、旅行パンフレットやアダルト雑誌など、日常で出会う芸術的価値の低いアナログメディアを集め、手やシュレッダーで裁断しコラージュ作品を制作。表現に彫刻的な側面を与え、展示空間と作品の物理的な関係性を意識させるという。

 　今回の個展では、代表的な「シュレッダー・コラージュ」シリーズの黒と銀を基調とした新作をはじめ、マルチキャンバスの大作シリーズを発表。とくにシュレッダー・コラージュの展示数としては過去最大となる。