スコットランド国立美術館の名品から横浜都市デザインまで。今週末に見たい展覧会ベスト4
今週開幕/閉幕する全国の展覧会のなかから、とくに注目したい4つをピックアップしてお届け。最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。
世界屈指の西洋絵画コレクション。「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」(東京都美術館)
4月22日より「スコットランド国立美術館 THE GREATS 美の巨匠たち」が東京都美術館で開幕した。
1859年開館以来、現在までにベラスケス、レンブラント、ルーベンス、スーラ、ルノワールなど、巨匠と呼ばれる画家の名品を収蔵してきたスコットランド国立美術館。本展ではこうした巨匠の名品に加え、同館を特徴づけるターナーをはじめとするイングランド絵画、スコットランド絵画も展示される。
「ルネサンス」「バロック」、ブーシェによる牧歌的な風景などが並ぶ「グランド・ツアーの時代」印象派とポスト印象派も含む「19世紀の開拓者たち」の4章で構成される本展に足を運べば、貴重なコレクションに囲まれながらルネサンス以降の西洋美術の流れを感じることができるだろう。
なお、同展は神戸市立博物館と北九州市立美術館に巡回する。モネ、ゴーギャンの作品は東京会場のみの展示となっている。
会期:2022年4月22日~7月3日
会場:東京都美術館
住所:東京都台東区上野公園8-36
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:9:30~17:30(金曜日は9:30~20:00)※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(5月2日は開室)
料金:一般1900円/大学生・専門学校生1300円/65歳以上1400円
一年に一度の公開、情景再現も。「建物公開2022 アール・デコの貴重書」(東京都庭園美術館)
国の重要文化財に指定されている旧朝香宮邸(1933年竣工)は、設計にアンリ・ラパン、装飾にはルネ・ラリックが参画した「フランス直輸入」のアール・デコ様式として知られている。この歴史的建造物が、現在は東京都庭園美術館として用いられていることをご存知だろうか。
4月23日に開幕する「建物公開2022 アール・デコの貴重書」は、同館が年に一度行う建物公開展。大食堂のテーブルデコレーションなど各室に合わせた情景再現が見どころだ。今年は1925年のアール・デコ博覧会に関連した文献資料や、華やかなショーウインドウの写真集、色鮮やかな絵本など同館が収蔵する貴重書も展示される。壁や床や天井、建具や照明に目をむけ、当時の書物を眺める時間は、装飾性豊かなアール・デコの世界に浸るひとときになるだろう。
会期:2022年4月23日~6月12日
会場:東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5-21-9
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00~18:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月
料金:一般1000円/大学生・専門学校生800円/中・高校生・65歳以上500円 ※日時指定予約制
小説『パンとサーカス』のビジュアルが集結。「パンとサーカス展」(ミヅマアートギャラリー)
『パンとサーカス』は、2020年7月より新聞紙面で連載された島田雅彦の小説。冒険、サスペンス、社会派などのジャンルの境界を越え、ニューヨークからメタバースと舞台を変えながら、社会構造を浮き上がらせる作品だ。
全382回にわたった連載の挿画は、スタイルの異なる6名が交代に担当した。登場人物の描写も各作家に委ねられており、同じ人物同じ場面でも作家各人が異なる視点を持っていれば、読者に全く異なる印象を抱かせた。
4月20日からミヅマアートギャラリーではじまった「パンとサーカス展」は、この前衛的な取組の挿画を担当した6名、岡本瑛里、荻野夕奈、金子富之、熊澤未来子、水野里奈、山本竜基アーティストユニット「コントラ・ムンディ(*)」のグループ展である。本展では 『パンとサーカス』の挿画の原画のほか、小説の世界観に着想を得た新作の絵画作品も目にすることができる。
*──ユニット名「コントラ・ムンディ」とは作中で主人公たちが結成する秘密サークル名であり、ラテン語で「世界の敵」を意味する。
会期:2022年4月20日~5月21日
会場:ミヅマアートギャラリー
住所:東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル 2F
電話番号:03-3268-2500
開館時間:12:00~18:00 ※最新情報は公式ウェブサイトにて要確認
休館日:日、月、祝
横浜の秘密を解剖。「都市デザイン 横浜」展〜個性と魅⼒あるまちをつくる〜(BankART KAIKO)
BankART KAIKOで開催中の展覧会「『都市デザイン 横浜』展 〜個性と魅⼒あるまちをつくる〜」が4月24日をもって閉幕する。
1971年、全国に先駆けて市役所内に「都市デザイン」担当を設置した横浜市。美しさだけでなく、歩いて楽しいまちづくりや歴史的資源の保全・活用に向けた取組を50年間積み重ねてきた。
本展はこうした取組を概観して、「個性と魅力あるまち横浜」歴史と新しさが共存する「横浜らしさ」の秘密を解き明かすものとなっている。また横浜に限らず都市デザインのこれまでの系譜の図解や年表を紹介する展⽰スペースもある。
会期:2022年3月5日~4月24日
会場:BankART KAIKO
住所:神奈川県横浜市中区北仲通5-57-2 KITANAKA BRICK & WHITE 1F
電話番号:045-663-2813
開館時間:11:00~19:00(最終日は11:00〜17:00)※最新情報は展覧会サイトにて要確認
休館日:4月4日、11日、18日
料金:一般700円(横浜市内在住500円)/大学・高校生300円/中学生以下無料