裸体表現の法解釈を問う《現代に転生したマリリンを僕は弁護(まも)りたい》がオンラインで公開中
今日の裸体表現に対する法的な解釈を問うことを目的に展開される、架空の裁判プロジェクトがオンラインで公開されている。主催は、アーティストの遠藤麻衣、キュレータ ーの丸山美佳、出版レーベルを主宰する見目はる香によって結成された「紙魚プロジェクト」。会期は2023年2月28日まで。
今日の裸体表現に対する法的な解釈を問う架空の裁判プロジェクト《現代に転生したマリリンを僕は弁護(まも)りたい》が、オンラインで公開されている。本展は、アーティストの遠藤麻衣、キュレータ ーの丸山美佳、出版レーベルを主宰する見目はる香によって結成された「紙魚プロジェクト」が主催するもの。会期は2023年2月28日まで。
遠藤麻衣は、身体を通じたおしゃべりや DIY、演技といった遊戯的な手法で制作を行う作家。婚姻制度や表現規制に関する法律などを含む幅広い対象の調査に基づき、クィア・フェミニスト的な実践を展開してきた。
そんな遠藤が、キュレータ ーの丸山美佳・出版レーベルを主宰する見目はる香とともに立ち上げたのが「紙魚プロジェクト」だ。同リサーチプロジェクトは、国内外におけるクィア・フェミニズムに関わる身体や表現の規制や忘却、またそのアーカイブの在り方について長期的に検討することを目的に2021年に発足した。
《現代に転生したマリリンを僕は弁護(まも)りたい》は、架空の沖鳩美術館で「パフォーマンスに裸体を用いることが問題となり下着着用を余儀なくされた」という設定のもと、美術館を被告に相手取り裸体表現の是非を問いかける作品となっている。また、その題材には遠藤のパフォーマンス作品《あなたに生身の人間として愛されたいの》(2016)が用いられている。
このオンライン展示は、昨年10月に東京藝術大学大学美術館で開催された「『新しい成長』の提起 ポストコロナ社会を創造するアーツプロジェクト」展でワークインプログレスの形式で部分的に発表されたプロジェクトの全貌を、初めて正式に発表するものだ。
遠藤自身が経験した表現規制の現場から生まれた本展では、訴訟書面という媒体を通して、アーティストがヌードのパフォーマンスを行うために必要な条件や、想定される主張と規制に関する問いが提起されるという。期間限定でオンライン鑑賞できるこの機会にぜひ、アクセスしてみてはいかがだろうか。