東京都庭園美術館が恒例の建物公開展を実施。200点以上のボンボニエールも特別出品
1983年に美術館として開館して以来、朝香宮邸の邸宅空間を活かした展覧会を開催してきた東京都庭園美術館が、恒例の建物公開展を実施する。会期は4月1日~6月4日。
1933年に朝香宮家本邸として竣工した建物を活用し運営されている東京都庭園美術館。同館が毎年恒例の建物公開展を今年も実施する。会期は4月1日~6月4日。
東京都庭園美術館(旧朝香宮邸)は、1920年代から30年代にかけて欧米を中心に世界中で流行したアール・デコ様式の建築として知られており、現在では重要文化財に指定されている名建築だ。年に一度の建物公開展は毎年異なるテーマを設け、建築意匠や技法、素材など、建築そのものに注目するものとして、同館恒例のものとなっている。
開館40周年という節目を迎える今年の建物公開展のタイトルは「建物公開2023 邸宅の記憶」。朝香宮家の人々にフォーカスし、宮邸時代の家具や調度を用いた邸宅空間の再現展示を行う。さらに、かつてこの空間を往来した人々が残した写真や映像資料、工芸品、調度品、衣装などによって、当時の生活の一端を紹介するという。
本展でとくに注目したいのはボンボニエールの特別出品だ。ボンボニエールはもともと西洋諸国で用いられた小型菓子器だったが、日本の伝統技術を駆使した皇室独自の文化として発展し、今日まで皇室の御慶事を記念する品として引き継がれている。今回はこのボンボニエールが200点以上出品される。これは同館過去最大規模だ。
さらに本展ではアール・デコ建物を特徴づける素材やディテールを実際に触れるコーナーを設けるとともに、館内での写真撮影も可能となる。また18歳以下(2004年4月2日以降生まれ)は4月1日・4月2日の2日間限定で観覧無料となるのも注目ポイントだ。この機会に名建築を訪れてみてはいかがだろうか。