ルーヴル美術館展からポケモン×工芸展、藝大の買上展まで。3月に注目したい展覧会ベスト18
2023年3月に開幕する展覧会のなかから、とくに注目したいものを編集部がピックアップしてお届けする。*最新情報は各館公式サイトをご確認ください。
「愛」の表現が一堂に。「ルーヴル美術館展 愛を描く」(国立新美術館)
2018~19年にかけて、国立新美術館と大阪市立美術館で開催され、約70万人を動員した「ルーヴル美術館展 肖像芸術──人は人をどう描いてきたか」。これに続き、5年ぶりに6回目の「ルーヴル美術館展」が開催される。
国立新美術館で開催される 「ルーヴル美術館展 愛を描く」は、ルーヴル美術館の膨大なコレクションから精選された70点余りの絵画を通して「愛」の表現の諸相をたどる、これまでにない趣向の展覧会となる予定だ。
西洋社会における様々な愛の概念が絵画芸術にどのように描出されてきたのかを、ヴァトーやブーシェ、フラゴナール、ジェラール、シェフェールなどの名画を通して紹介。なかでも、18世紀フランス絵画の至宝とされるフラゴナールの《かんぬき》はじつに26年ぶりの来日となり、本展の目玉と言える。
会期:3月1日〜6月12日
会場:国立新美術館
住所:東京都港区六本木7-22-2
開館時間:10:00~18:00(金土〜20:00) ※入場は閉館の30分前まで
休館日:火(3月21日・5月2日は開館)、3月22日
料金:一般 2100円 / 大学生 1400円 / 高校生 1000円 / 中学生以下無料
約400点の民衆芸術作品を展示。「ラテンアメリカの民衆芸術」(国立民族学博物館)
ラテンアメリカ諸国の主要言語であるスペイン語でアルテ・ポプラル(arte popular)とよばれる造形芸術のひとつのジャンルである「民衆芸術」。これに着目した展覧会が、国立民族学博物館で行われる。
本展では北はメキシコから南はアルゼンチンまで、古代文明の遺物から現代のアート・コレクティブの作品まで、国立民族学博物館が所蔵する作品を中心に約400点の民衆芸術作品を展示。また、「なぜラテンアメリカの民衆芸術はこれほど多様なのか」という問いを本展では掘り下げるという。先コロンブス時代以来の文化混淆(こんこう)の歴史、芸術として洗練されていった過程、そして現代の制作者の批判精神の3点に焦点をあて、その答えを探すものだ。
会期:3月9日〜5月30日
会場:国立民族学博物館 特別展示室
住所:大阪府吹田市千里万博公園10-1
開館時間:10:00~17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:水(5月3日は開館)、5月8日
料金:一般 880円 / 大学生 450円 / 高校生以下無料
磯崎新を偲んで。「磯崎 新 ―水戸芸術館を創る―」(水戸芸術館)
昨年12月28日に91歳で逝去した建築家・磯崎新を偲び、「磯崎 新 ─水戸芸術館を創る─」展が茨城県水戸芸術館現代美術ギャラリーで開催される。
本展では、2019年に同館で開催された「磯崎新 ―水戸芸術館縁起―」展を再現するとともに、磯崎のシルクスクリーン版画作品、当館設計時の資料などが展示されるという。
会期:3月1日~6月25日
会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8
開館時間:10:00〜18:00 ※入場は17:30まで
休館日:月
料金:無料
デザインのエッセンスを考察。「The Original」(21_21 DESIGN SIGHT)
独創性と根源的な魅力、純粋さ、大胆さ、そして力強さ。それらを兼ね備えたデザインを取り上げ、エッセンスを考察する企画展が、「The Original」だ。
本展の展覧会ディレクターはデザインジャーナリスト・土田貴宏。世界の流行やトレンドに適応することなく、目の前にあるデザインを参照することで、すべての端緒となる「The Original」をたどることが目的だという。「The Original」とされるデザインを見つめ直すことで、デザインの時間を超えた文脈と、それらを生み出したデザイナーたちとのつながりを可視化することを目指す。
会場では土田のほか、企画原案の深澤直人と企画協力の田代かおるによって選ばれた約140点の「The Original」にふさわしいプロダクトが並ぶ予定だ。
会期:3月3日〜6月25日
会場:21_21 DESIGN SIGHT
住所:東京都港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン
開館時間:10:00〜19:00 ※入場は18:30まで
休館日:火(3月21日は開館)
料金:一般 1400円 / 大学生 800円 / 高校生 500円 / 中学生以下無料