被災した作品を修復家と作家自らが修復。近藤恵介と冨井大裕の展示がオンラインで開催
2019年10月に発生した「令和元年東日本台風」によって大きく被災し、既存建物の取り壊しが決定している川崎市市民ミュージアム。同館がウェブサイト上で展開している「the 3rd Area of “C”―3つめのミュージアム―」で、「あっけなく明快な絵画と彫刻、続いているわからない絵画と彫刻」が開催される。
2019年10月に発生した「令和元年東日本台風」によって大きく被災し、既存建物の取り壊しが決定している川崎市市民ミュージアム。同館が令和3年度より、ウェブサイト上で展開している「the 3rd Area of “C”―3つめのミュージアム―」で、「あっけなく明快な絵画と彫刻、続いているわからない絵画と彫刻」が開催される。
「the 3rd Area of “C”―3つめのミュージアム―」は、館内の事業、外部の会場で行うアウトリーチ活動に続く、3つめの活動の場としてオンラインで展開されているもので、今年度は原美樹子の個展、「Cheer! Cheer! Hurray! 川崎のスポーツ史展」を行ってきた(いずれも3月31日まで開催中)。
ここで3月1日から始まるのが、「あっけなく明快な絵画と彫刻、続いているわからない絵画と彫刻」だ。同展「あっけない絵画、明快な彫刻」シリーズを手がける近藤恵介と冨井大裕の2作家による展示。このシリーズは2010年に制作され、16年に川崎市市民ミュージアムに寄贈されたものの、7点が令和元年東日本台風によって被災した。
この展示では、被災によって以前のかたちを失ってしまった作品を作家が自ら修復。その成果を公開するとともに、こうした経験をふまえて制作された二人の作家による新作も紹介される。現代美術の修復という事例を紹介する好機となるだろう。なお、関連事業として3月5日には作家によるトークが、18日には作家を講師とするワークショップが催される。