人口30人の島から未来を見つめる。「高見島―京都:日常の果て」展
瀬戸内海に浮かぶ小さな島を舞台にした「高見島プロジェクト」を紹介する展覧会が、京都で開催される。京都精華大学ギャラリーフロールにて6月16日から7月15日まで。
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瀬戸内海に浮かぶ高見島は、面積2.35平方キロメートルの小さな島。かつては蚊取り線香の原料となる除虫菊の栽培で賑わいを見せたが、現在では30人弱が暮らすのみ。美しくのどかな景観が広がるいっぽう、小学校も商店もなく、住民の高齢化は進み、空き家となった家々が朽ちていくなど、「日常の果て」ともいえる状況にある。
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京都精華大学は、2013年の瀬戸内国際芸術祭において「高見島プロジェクト」を立ち上げ、島の歴史や文化、自然に着目した作品を発表している。16年の芸術祭ではゲスト作家も迎え、ワークショップやパフォーマンスなども展開した。
本展は、このプロジェクトのエッセンスを紹介するもの。かつての島の名産品である除虫菊をテーマに作品を発表した内田晴之+小川文子+田辺桂や、空き家を改装し作品化した中島伽耶子など、高見島の地域性に向き合い、その課題や魅力を伝えてきた作家たちの仕事を展観する。
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