植物を通して考える「ほんとうの豊かさ」とは? はじまりの美術館で「プランツ・プラネッツ」展開催
福島県猪苗代町にある「はじまりの美術館」で、植物に関わる作品を制作する7組のアーティストによる展覧会が開催されている。会期は10月22日まで。
「はじまりの美術館」は、2014年に福島県猪苗代町に開館。知的障害者の支援事業を行う安積愛育園により、「福祉とアートが同居する場所」として運営されている。
本展では、「植物」をテーマに制作を行う7名の作家を紹介。金属工芸や蜜蝋画、ペン画など様々な素材で植物を表現したものや、草木や漆など植物自体を素材に用いたものなど、「植物」という身近な主題への真摯な眼差しから生まれた作品を展示する。
吉田あさぎの《家の行先 人の行先》(2017)は、展示室一面を草花の模様のテキスタイルで埋め尽くしたインスタレーション作品。鑑賞者も同じ柄の服を着て中に入ることができ、草花との同化を体験できる。また、鈴木祥太は本物の植物と見紛うような超絶技巧の作品を、浅野春香は細かな筆致で画面を埋め尽くすように鮮やかな植物が描かれた作品を展示する。
会期中には、出展作家の華道家・片桐功敦によるワークショップ「I am flower project」など、植物にまつわる様々なイベントも開催される。
「プランツ・プラネッツ」という展覧会タイトルが示すように、植物をはじめとする地球上の多種多様な命による「循環」にも主題が置かれている本展。「植物」を通して「持続可能性」や「多様性の尊重」について、改めて考える場となることだろう。