2017.8.13

作家と職人、2つの創造性のせめぎ合い。泉太郎が個展「←連絡」で見せるものとは

泉太郎がTake Ninagawaでの2回目の個展を開催。イタリアの家具職人とのやり取りを通して制作された作品《←連絡》を展示する。会期は9月9日〜10月21日。

泉太郎 ←連絡 2016-17 © Taro Izumi, courtesy of Take Ninagawa.

 泉太郎は1976年奈良県生まれ。映像や絵画、立体、パフォーマンスなどを組み合わせたインスタレーションを中心に、社会システムの問題やコミュニケーションの齟齬などをテーマにしたユーモアと皮肉を交えた作品で知られる。今年2月にはパリのパレ・ド・トーキョーで個展「Pan」を開催、10月からは金沢21世紀美術館で個展「突然の子供」の開催が予定されている。

 本展では、イタリアの家具職人との往復書簡のようなやり取りを通して制作された《←連絡》(2016-17)を紹介する。泉がつくった彫刻から職人が椅子をつくり、その椅子をまた泉が彫刻に戻すという工程を繰り返し、最終的にできた椅子と、職人が彫刻を椅子に戻すために排除した部分を彫刻として展示する。作家と職人という立場の異なる2人の2つの目的が重なり合い、最終的にそこから抜け落ちたものが提示される。