絵と言葉の交わりが物語を生む。「絵と言葉」に光をあてた「本と美術の展覧会vol.1」が開催中
本と美術の多様な関わりをテーマとした展覧会シリーズ「本と美術の展覧会」の第一弾、「絵と言葉のまじわりが物語のはじまり 〜絵本原画からそうぞうの森へ〜」が太田市美術館・図書館で開催されている。会期は10月22日まで。
美術館と図書館の複合施設である太田市美術館・図書館が、本と美術のかかわりをテーマに継続的に実施する「本と美術の展覧会」。第一弾となる「絵と言葉のまじわりが物語のはじまり 〜絵本原画からそうぞうの森へ〜」は、絵本原画を中心に、絵と言葉の想像力=創造力をめぐる展覧会だ。
展示室1では、村上春樹が文を、安西水丸が絵を手がけた『ふわふわ』をはじめ、荒井良二の『えほんのこども』、ザ・キャビンカンパニーの『よるです』、文・中脇初枝、絵・酒井駒子の『こりゃ まてまて』の原画全点を言葉とともに紹介。現代美術作家・中島崇によるインスタレーションで会場を構成する。
また展示室2では、小説家の長嶋有と福永信、太田市出身の画家・須永有がコラボレーション。長嶋と福永の2人が「長嶋有と福永信のキュレーションvol.1大★須永有展 美と微とbi☆toの原寸大」という展示タイトルを創案し、須永の作品解説、年譜等を執筆するなど、小説家と画家が、それぞれの立場から絵画と言葉にアプローチした展示を試みる。
さらに本展に合わせ、長嶋と福永による作品解説をそれぞれ掲載した特製ポスター2種類を各5000枚限定で制作。来場者はどちらか1種類を持ち帰ることができる。
1階と2階をつなぐスロープの壁面には、画家・大小島真木による20メートルを超える新作壁画《46億年の記憶》を展示。つづく展示室3では、本作に基づき、来場者が「続きの物語」をつくることができるワークショップルームが設けられている。
絵本や児童書を重点的に収集している太田市美術館・図書館ならではの本展で、絵と言葉の交わりによって新たな物語が生まれる光景を見ることができるだろう。