芸術としての「書」。書家・井上有一の個展に見る紙と墨による新しい表現
戦後、国際的に評価された数少ない現代の書家・井上有一(1916〜85)の個展がNUKAGA GALLERY(東京)で開催される。会期は10月3日〜24日で、その後NUKAGA GALLERY OSAKA(大阪)に巡回する。
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井上有一は1916年東京都生まれ。41年から8年間書道家・上田桑鳩に師事し、サンパウロ・ビエンナーレ(1957、1961)やドクメンタ2(カッセル、1959)に出展。戦後まもなく世界的に評価された数少ない現代の書家で、2016年には、金沢21世紀美術館で大回顧展「生誕百年記念 井上有一」が開催された。
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アメリカの抽象表現主義やヨーロッパのアンフォルメル、日本の具体美術と同時代のアートとして国際的に注目を集めている有一の作品。
本展では、作家活動の中核をなす一文字書から、ユーモラスな多文字の書まで十点以上を展示。西洋の芸術概念では生まれることがなかった、紙と墨による新しい表現を見ることができる。
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