相次ぐ作品破壊。六甲ミーツ・アートや猪熊弦一郎現代美術館で発生
香川・丸亀の猪熊弦一郎現代美術館前の野外作品が12日に破損された問題に次いで、神戸・六甲山で開催中の「六甲ミーツ・アート芸術散歩2018」で、屋外に展示されている立体作品が破壊されたことがわかった。いずれも人為的な破壊と見られる。
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香川県丸亀市にある丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で作品の破壊があったのは9月12日のこと。美術館前の野外に設置された猪熊弦一郎の巨大立体の一部が折られた。
破壊されたのは1991年の同館開館に合わせて制作された《シェルの歌》。同作はグラスファイバーでできており、サイズは高さ約3.6メートル、幅約2.5メートル、奥行き約3.9メートル。貝殻から上方に針のような複数の突起物が伸びており、今回の事件ではそのうち長さ約2メートルの突起2本が根元から折られた。
市が被害届を出し、香川県警が捜査しているが、犯人は見つかっていない。
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また、兵庫県神戸市で開催中の芸術祭「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2018」でも作品破壊が発生した。
破壊されたのは、六甲ケーブル六甲山上駅近くにある飲食店のテラスに設置されていた笠井祐輔の作品《動物たちも景色を見ている》。同作は動物をかたどったシリーズで、設置された3体のうち1体は現場からなくなっており、残る2体は足が折られるなど大きな被害を受けている。
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本作の損傷は、施錠してあった会場で夜間に発生した人為的なもの。主催者は16日に兵庫県警へ被害届を出しており、灘署が器物損壊容疑で捜査を行っている。
同作については、早期の展示再開を目指して準備が行われており、笠井は自身のSNSで「今後、このような事件が全国の展覧会、芸術祭で再発しないことを願います」とコメントを残している。