3位は「#metoo」。
美術界でもっとも影響力のある人物「Power 100」の2018年ランキングが発表
イギリスの美術誌『ArtReview』が毎年発表する、現代の美術界でもっとも影響力のある人物をランク付けした「Power 100」。その2018年のランキングが発表された。
イギリスの美術誌『ArtReview』が2002年より発表する「Power 100」。これは、その年の現代美術界でもっとも影響力のある人物100名を順位付けしたもので、毎年のアートシーンを振り返るものになっている。
今年の「Power 100」において注目したいのは、3位の「#metoo」。例年はギャラリスト、アーティストらがトップ3に名を連ねるなか、ひとつの動向がランクインするという異例のケースになっている。
あるハリウッド女優が、映画プロデューサーから受けた性的被害を告発したことをきかっけに、多方面に広がりを見せた「#MeToo」。美術界では、アメリカを代表するスーパーリアリズムのアーティスト、チャック・クロース、アメリカの美術誌『Artforum』の共同発行人であるナイト・ランデスマン、写真家の荒木経惟ら、多くの権威ある人物が「#MeToo」の告発の対象になった。『ArtReview』では、「性的アイデンティティ、能力、人種、階級といった様々な要素に関係になく、人々は力を持つことができるという重要な出来事」として「#MeToo」を評価。告発を行った複数の人々がランクインしたとも言えるだろう。
なお1位は、ニューヨークを拠点に世界に支店を展開しているメガギャラリーの設立者、デイヴィッド・ツヴィルナー。2位はアフリカ系アメリカ人の歴史と日常をモチーフとした絵画、彫刻を手がけるケリー・ジェイムス・マーシャルと続く。
そして5位には、「アーティストであり社会評論家」として、美術作品に加え難民をとらえたドキュメンタリー映画『ヒューマン・フロー 大地漂流』などを手がけるアイ・ウェイウェイがランクイン。
また、草間彌生は去年の55位から大幅に順位を上げ、16位に登場。2018年には世界各地で個展が行われ、そのどれもがチケット入手困難と言われるほどの草間を「インスタグラムでも人気のブロックバスターアーティスト」と評している。