滋賀「新生美術館」の名称も見直しに。再オープンは2021年を予定
滋賀県立近代美術館をリニューアルし、2020年の開館を目指していた「新生美術館」。今年7月には「SANAA」設計の改修・新棟建設計画の凍結されることが明らかになったが、このたび「新生美術館」の名称見直しが発表された。
1984年8月に開館した滋賀県立近代美術館は2017年の4月より増築・改修工事のため休館。妹島和世と西沢立衛による建築家ユニット「SANAA」の設計のもと、既存の建物改修と新棟建設が計画され、「新生美術館」としての2020年開館を目指してきたが、今年7月に計画凍結が発表された。そして今月11日、「新生美術館」という名称自体も見直すことが明らかになった。
当初は、美術館の「近・現代美術のコレクション」、そして国宝や重要文化財を収蔵する琵琶湖文化館(現在休館中)の「神と仏の美」の継承、全国に先駆けて滋賀県で培われてきた「アール・ブリュット」の3つの柱を一体的に示す場として「新生美術館」を計画していた滋賀県。
しかし、地域の文化財活用を促す文化財保護法改正や、2015年の日本遺産認定などで文化財を取り巻く環境は大きく変化。それにともない、琵琶湖文化館に文化財を寄託する社寺などから、「新生美術館」の立地・時期の再検討の要望を受け、前述の3つの柱を再考する必要性が出てきたことが、今回の名称見直しのおもな理由だという。
現在は、立地やスケジュールも含めて検討段階であり、「2021年の早期再オープンに向けて対策を行っている最中」だと担当者は話している。