アメリカ22都市の市長、芸術分野への追加支援を議会に訴え
ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルスなどアメリカ22都市の市長が今週、議会に芸術・文化部門への追加資金援助を要請するレターを送付した。米国芸術基金への追加資金やアーティストの失業保険期間の延長、非営利団体への融資条件の緩和などを求めているという。
ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルスなどアメリカ22都市の市長が今週、議会に芸術・文化部門への追加資金援助を要請するレターを送付した。
「artnet news」によると、「サンフランシスコ・アーツ・アライアンス」とサンフランシスコ市長ロンドン・ブリードが発起人となったこのレターでは、米国芸術基金(National Endowment for the Arts)や全米人文科学基金 (National Endowment for the Humanities)、博物館・図書館サービス機構(Institute of Museum and Library Services)への追加資金、アーティストや自営業者の失業保険期間の延長、非営利団体への融資条件の緩和、アーティストビザへの迅速な対処などを求めているという。
このレターには、「(この要請は)アーティストであれ文化労働者であれ、生活が脅かされている、あるいは取り返しのつかない影響を受けている個人に関するものだ。これはまた、私たちのコミュニティの魂の問題でもある。私たちのコミュニティのそれぞれをユニークなものにしているのは芸術だ。そして、私たちのコミュニティが経済的に生き残り、繁栄していくためには、芸術が必要だ」と記されている。
なお4月には、米国詩人協会(Academy of American Poets)やアメリカ博物館協会(American Alliance of Museums)など40以上の芸術・文化団体も、アメリカ議会と政府に対し、芸術や文学、文化などの分野への財政刺激策を呼びかけている。
これらの団体は声明文で、「芸術部門は、フルタイム、パートタイム、時給、季節労働、フリーランスなどの職業を通じ、芸術と教育の使命を果たしている」としつつ、「芸術分野への投資は、経済活動を推進し、複雑な問題に対する創造的な解決策を生みだし、地域社会の健康と福祉を支援し、生涯学習者を教育し刺激する国家の能力への投資だ」とコメント。
アメリカ商務省経済分析局が3月に発表した報告によれば、2017年の芸術・文化分野の国内総生産は8778億ドル(4.5パーセント)で、同年同分野の雇用は500万人を超えているという。