2020.10.5

ルー・ヤンによるキャラクター「DOKU」を起用したバーチャルショーが公開。身体と服の動きの美しさを探求

中国の気鋭メディアアーティスト、ルー・ヤンが制作したキャラクター「DOKU」を起用したバーチャルショー「The Art of Movement」がオンラインで公開された。中国のスポーツブランド「LI-NING」とコラボレーションしたこのショーでは、DOKUがその最新コレクションを独自のパフォーマンスで表現している。

「The Art of Movement」より
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 中国の気鋭メディアアーティスト、ルー・ヤンが自身の顔を投影して制作したバーチャルキャラクター「DOKU」。そのDOKUを起用した最新のプロジェクト「The Art of Movement」がオンラインで公開された。

 ルー・ヤン自身の理想像を顕現させた肉体を持つDOKUは、人間固有の欲求、性や人種、宗教などの属性に縛られないという。今年7月には、イギリスのロックバンド「The 1975」らが企画したオンライン展覧会「NOACF:The Exhibition」でデビューし、その最新アルバムに収録された『Playing On My Mind』という曲のMVに出演した。

 今回のプロジェクトは、ルーがディレクターとして中国を代表するスポーツブランド「LI-NING」(リーニン)の2021年春夏コレクションのために制作したヴァーチャルショー。DOKUが同コレクションをナビゲートし、身体と服の動きの美しさを現実世界と仮想世界を行き来しながら自由に探索している。

「The Art of Movement」より
「The Art of Movement」より

 DOKUの身体には、日本のタトゥーアーティスト・大島托による新しい生命、成長、パワー、平和を表現した螺旋状のタトゥーが描写。巨大な宇宙加速度機から架空の惑星へと発射されたDOKUは、「地」「水」「火」「風」をテーマにした服装を独自のパフォーマンスで表現している。

「The Art of Movement」より
「The Art of Movement」より

 モーションデータでつくられた「動き」によって、デジタルの身体にどう命を吹き込むか? 体の動きがもたらす感動と情熱を仮想空間でどう呼び起こすことができるか? これらの問いに対し、ルーは自身を投影したノンデュアリティを象徴するDOKUとともに答えを導き出していく。

 また、同プロジェクトの制作チームは、中国、日本、ヨーロッパの多国籍クリエイターによって構成。ルーと上述の大島に加え、映像の企画制作は東京を拠点とするスパイラル/株式会社ワコールアートセンターが担当し、CG映像、音楽、リアルタイムモーションキャプチャシステムはそれぞれ福田泰崇、P*Light、エラスマス・ブロスダウが担当した。