横尾忠則の作品を7色の糸で織り上げる。A-POCによるプロジェクト「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE」をチェック
パリコレクション招待状のデザインを手がけるなど、イッセイ ミヤケのものづくりにも接している美術家の横尾忠則。この秋には、A-POCによる服づくりを行う宮前義之とそのチームが、新たなプロジェクト「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE」をスタートさせる。アイコニックな横尾の作品を織り上げたブルゾンに注目だ。
つねに変化を続けることでアートシーンを牽引してきた美術家の横尾忠則。この秋スタートする「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE」は、A-POC(エイポック)による服づくりを行う宮前義之とそのチームが、横尾作品とともに衣服のさらなる可能性を追求するプロジェクトだ。
A-POCは1998年に誕生。糸から生地をつくる過程で、一枚の布の中に服のデザインを完成させるという独自のプロセスが特徴とされている。糸の1本1本に指示を与えて生地を編むプログラミング技術は、誕生以来つねに発展を続けてきた。いっぽう横尾は、⻑年美術家として独自性の高い作品を発表する傍ら、77年より「ISSEY MIYAKE」パリコレクション招待状のデザインを手がけるなど、イッセイ ミヤケのものづくりにも接している。
最新技術を駆使しながら様々な表現を可能にするA-POC。「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE」では、未来に向かって進んでいくA-POCの力強さが、拡張され続ける横尾の表現世界と共鳴した。絵を観る喜びと服を着る楽しみ、その両方を備えたプロジェクトとなる。
その出発点となる「TADANORI YOKOO ISSEY MIYAKE 0(ゼロ)」では、横尾の作品を一枚の布の中に再構築したブルゾンを発表。ブルゾンをキャンバスに、アイコニックな横尾作品が背中部分に表現されている。
種類は《花嫁》(1966)、《カミソリ》(1966)、《お堀》(1966)、《よだれ》(1966)、《モナリザ》(1966)、《ターザンがやってくる》(1974)、《Panic ぱにっく パニック》(2002~12)、《KEY BEAUT.Y.》(2017)。パワフルな8作品が、それぞれわずか7色の糸で色鮮やかに織り上げられる。生地を織るとき、表面に使われない色の糸は裏側に表出される。ブルゾンの裏側には、横尾の絵が思いがけない色彩で現れる。
素材にはリサイクルポリエステルの糸を使用。軽量で扱いやすい仕上がりとなっている。10月23日より、HOMME PLISSE ISSEY MIYAKE / DAIKANYAMAでは、一早く各アイテムの販売をスタート。また同日より、DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERYでの特別展示も行われる(〜10月25日)。
11月13日からはISSEY MIYAKE SEMBAでの販売も始まり、同時に同店地下の「クリエーションスペース」にて、A-POC によるブルゾンのすべてのパーツが織り込まれた布などを展示。こちらもあわせてチェックしたい。