デジタルガレージCEOの林郁が日本の日本の工芸作品18点をメトロポリタン美術館に寄贈。人間国宝の作品も
メトロポリタン美術館が、デジタルガレージCEOの林郁(はやし・かおる)から日本の工芸作品18点の寄贈を受けたことを発表した。伝統的な茶器から花器、大鉢、彫刻作品まで、様々な金属加工技術を使ってつくられたコレクションだ。
メトロポリタン美術館が、日本のIT企業・デジタルガレージCEOの林郁(はやし・かおる)から、日本の現代工芸作品18点の寄贈を受けたことを明らかにした。
寄贈作品は金工で、伝統的な茶器から花器、大鉢、彫刻作品まで、幅広いジャンルと形態の作品が含まれている。そのうちの9点は重要無形文化財保持者、いわゆる「人間国宝」に認定された桂盛仁、中川衛、奥山峰石、大角幸枝、大澤光民、田口壽恒、玉川宣夫、三代魚住為楽、山本晃の作品。そのほかは、般若保、三代畠春斎、家出隆浩、飯野一朗、宮田亮平、押山元子、大槻昌子、佐故龍平、田中照一など、表現力豊かな作品と革新的な技法で知られる作家の作品9点だ。
今回の寄贈について同館館長のマックス・ホラインは声明文で、「林郁氏からのこの寛大な寄贈により、当館の世界で一流の日本美術コレクションが大幅に拡充されることになり、大変感謝しています。このエキサイティングな作品群は、18人の主要なアーティストの精巧な作品を通して伝統と現代性を融合させ、日本の現代金属作品を紹介するのに最適なものです」とコメントしている。
東京、サンフランシスコを拠点とするIT企業「デジタルガレージ」の設立者兼CEOの林郁は、「このような才能あるアーティストを支援し、彼らの魅力的な作品をメトロポリタン美術館の観客に紹介できることを嬉しく思います。西洋の美術館がこのような作品を収蔵することで、日本の高水準の工芸品への理解が深まることを期待しています」と述べている(原文は英語)。
なお今回の寄贈作品は、3月8日から来年4月24日の会期で開催される、古代から現代に至るまでの日本美術を紹介する展覧会「Japan:A History of Style」で2回に分けて展示。同展では狩野派や琳派、書道、仏教美術、円山・四条派、近代・現代の絵画、版画、装飾美術など、幅広いジャンルの作品も展示される。