森美術館、2018年度は「建築の日本展」「カタストロフと美術のちから」など3展覧会を開催
東京・六本木の森美術館は2018年度に開催する展覧会の概要を明らかにした。開館15周年となる来年は、「建築」「アートの力」にフィーチャーした3つの企画展を行う。
2018年に開館15周年を迎える森美術館が開催するのは「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」「カタストロフと美術のちから展」、そして「六本木クロッシング2019展」(仮題)の3つ。
4月25日から始まる「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」は、日本の古建築と近現代の建築を比較分析し、その表現の差異や継承を貴重な資料や模型、体験型インスタレーションの展示を通して顕在化させるというもの。丹下健三や、谷口吉生、隈研吾など国際的にも高い評価を得ている建築家を生み出し、建築界のノーベル賞と称される「プリツカー賞」受賞者を多数輩出してきた日本現代建築の背景を探る。企画は南條史生(森美術館館長)、前田尚武(森美術館建築・デザインプログラムマネジャー)、徳山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)、倉方俊輔(建築史家/大阪市立大学大学院工学研究科准教授)、ケン・タダシ・オオシマ(建築史家/ワシントン大学教授)。
また、10月6日から開催の「カタストロフと美術のちから展」では、アートが持つ力に着目。戦争やテロ、難民問題や環境破壊など、危機的な問題が山積する現代において、国際的に活躍するアーティストから気鋭の若手まで、作品を通してカタストロフを主題とした「負」を「正」へと変換する「アートの力」について考察する。出展予定作家は藤井光、畠山直哉、モナ・ハトゥム、トーマス・ヒルシュホルン、アイザック・ジュリアン、ヒワ・K、加藤翼、エヴァ&フランコ・マッテス、宮本隆司、ジョルジュ・ルース、ヘルムット・スタラーツ、スウーン、ジリアン・ウェアリングほか。企画は近藤健一(森美術館キュレーター)。
19年は3年に一度、森美術館が開催しているシリーズ展「六本木クロッシング」の開催年でもある。第6回目となる「六本木クロッシング2019展」では、森美術館の3人のキュレーターが共同キュレーションする予定。翌年(2020年)に「東京オリンピック・パラリンピック」を控え、世界から日本への注目が一層高まるこの時期に、日本の現代アートやクリエーションとは何かをあらためて広い視野から検証するという。企画は椿玲子(森美術館キュレーター)、徳山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)、熊倉晴子(森美術館アシスタント・キュレーター)。